大統領直属のグリーン成長委員会が１６日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で初めて会議を開いた。会議では▽気候変化と原油高に取り組むための「低炭素・グリーン成長基本法」を制定する▽サマータイム制を導入する▽白熱電球を発光ダイオード（ＬＥＤ）に交換する▽知能型電力網を構築する－－など多様なグリーン成長の推進策が提示された。

グリーン成長の戦略は「低炭素・先進型生活の定着」と「経済成長」という２つの目標を同時に目指すという李明博（イ・ミョンバク）政権の野心に燃える構想だ。未曾有の経済危機によって、世界第７位の経済大国を目指す「７４７公約」と「韓半島大運河構想」が色あせたり、水の泡となった状況で、グリーン成長は今後、李明博政権が手に握る、事実上、最後のカードになった。

絶体絶命の国家的な危機の中で、政府が打ち出したグリーン成長戦略は、いったん正しい方向で、推進計画もそれなりに実現の可能性が高いとみられる。環境に優しい先端技術を掲げたグリーン産業の育成を、経済危機克服の突破口にしようとする先進諸国の動きとも同じ流れのものだ。


問題はこれをどう具体化するかだ。ひとまず政府は一見価値が相反するものと思われがちな「グリーン」と「成長」を確実につなぐ精巧なロジックと政策を講じねばならない。最近になって世界的な流行語となった「グリーン」に李明博製の「成長」を適当に結び付けようとしていたら、一時のスローガンとしては通じるかもしれないが、国の未来を担保にする国家戦略としては決して成功できない。

グリーンを求めれば、確実に持続可能な成長を成し遂げられるという確信を与えねばならない。政府のグリーン成長構想は、国民生活と企業の活動方式を「低炭素かつ環境に優しい体制」に完全に変貌（へんぼう）させるのを目指している。国民と企業の十分な共感がなければ、決して実現できない目標だ。

▽サマータイム制の導入▽自転車利用の拡大▽炭素排出量取引制度の導入－－などグリーン成長政策の一つひとつが、いずれも国民と企業の認識の変化なしでは不可能なものだからだ。これは、グリーン成長戦略の成否が、全的に国民・企業への説得、疎通次第だということになる。説得と疎通は何よりもグリーン成長が新たな規制ではないという点を明確にするところから始まらなければいけない。