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最近輸入車業界はウォン安により販売が大幅に減少した。昨年国内で最も多くの販売台数を記録したホンダコリアは大幅な円高により損失を出している。輸入車代金をユーロで決済する仏プジョーの公式輸入元のハンブルモーターズも似たような状況だ。
国内の輸入会社が本社にウォン建てで決済するアウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、トヨタ(レクサス)、フォルクスワーゲン、ボルボなどはまだましなほうだ。為替相場による損失を本社がかぶっているのだ。しかし本社レベルでも損失をかぶりつづけることもできず、為替ヘッジの手段を求めたり、車両の価格を引き上げるしかないものとみられる。
ウォンが下がり以前にはなかった現象が起きている。国内で販売される輸入車価格を海外の現地販売価格と比べると、むしろ韓国で安く売られるケースが大きく増えている。
昨年1月の場合、ウォンの対ドル相場は1ドル=932ウォンだった。しかし今年2月10日基準で相場は1ドル=1385ウォンに達した。さらにまだ為替は安定しておらず、今後の推移を見通すのも難しい状況だ。ウォンの対ユーロ相場は1ユーロ=1789ウォン、対円相場は100円=1513ウォンで、相対的に下げ幅が大きい。
国内で昨年人気だったホンダの「アコードV6 3.5」は国内販売価格が3870万ウォン(約252万円)が、日本では同じモデルの「インスパイア」が390万円(約5900万ウォン)だ。国内で2000万ウォンも安く売られている。高級車の場合、多くは売られていないが価格差ははるかに大きい。国内で2億350万ウォンのメルセデス・ベンツ「CL63AMG」はドイツで14万8096ユーロだ。ウォン換算で2億6490万ウォンに達する。このモデルは国内販売価格がドイツより6000万ウォン以上安い。
ウォンが下がる前から国内での販売価格が安かった車もある。フォルクスワーゲンの大型セダン「フェイトン」が代表的だ。ドイツではアウディ「A8」、BMW「7シリーズ」、メルセデス・ベンツ「Sクラス」と同価格帯で売られていた「フェイトン」は、国内で現地価格より最大50%安く販売された。発売1年で1000台が売れる突風を巻き起こした背景でもある。
一方、ウォン安にもかかわらず依然として国内販売価格が現地より高いモデルもある。1億7580万ウォンで売られるBMW「750Li」はドイツで9万4000ユーロ(約1億6814万ウォン)だ。国内では760万ウォンほど高く売られている。キャデラック、クライスラー、リンカーン、ジャガー、三菱などもモデルによって現地より100万~1000万ウォン高い。
ウォン急落による輸入車価格の逆転現象で平行輸入業者は立ち入る隙間がなくなっている。輸入業者は個別に海外から車を仕入れてくるので現地より少なくとも30%は高くなるが、国内の輸入車価格が下がり、事業が事実上不可能になったためだ。実際昨年に国内輸入車価格のバブル論をぶち上げてスタートしたSKネットワークスの直輸入輸入車事業は今年に入り規模が大幅に縮小されるという。
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