米高官が一斉に北朝鮮に対し警告を発している。

ゲーツ米国防長官は咸鏡北道花台郡舞水端里（ハムギョンブクド・ファデグン・ムスダンリ）のミサイル発射施設で発射を準備中の長距離弾道ミサイル「テポドン２」を迎撃できると明らかにした。アジア歴訪を控えているクリントン国務長官は、北朝鮮の核問題をめぐる６カ国協議の関係諸国が懸念しているとした上で「米国の政策は以前と変わらない。６カ国協議を固守する」と強調した。

シャーマン元北朝鮮政策調整官は北朝鮮に対し「悪い行動」をせずに約束を守れと呼びかけた。オバマ米政権が北朝鮮に送った初の公式メッセージが警告であるわけだ。同時に米国が北朝鮮問題に注目しているから、あまりせかすなという意味も行間に含まれている。


大統領選当時にオバマ候補が金正日（キム・ジョンイル）北朝鮮国防委員長と会う意向を示したために、北朝鮮の期待が高まったのも事実だ。問題は、北朝鮮が「瀬戸際戦術」という最悪な方法で期待感を表明するところにある。経済危機や中東紛争に押され、米国が北朝鮮をないがしろにするのが懸念されるためか、騒動を起こし、危機を作っているのだ。

結局、米国は北朝鮮のミサイルを迎撃するという立場を明らかにした。実際に北朝鮮がテポドン２を発射し、米国が迎撃する場合、どうなるだろうか。北東アジアの情勢はもう一度大きく揺れ動くだろう。６カ国協議は動力を失い、国際社会に制裁をめぐる議論が広がるはずだ。北朝鮮は今よりもっと厳しい孤立と経済難の悪化を避けられなくなるだろう。

北朝鮮が経済難と体制危機に陥ったのは、時代の流れに対抗し、改革を回避した結果だ。「瀬戸際戦術」は、それを他人のせいにして危機を造成することで、相手を屈服させようとする間違った解決策だ。費用も莫大である。核とミサイルに費やされる莫大なお金を中国やベトナムのように経済開発に使ったとすれば、北朝鮮の事情が今とは異なっただろう。

クリントン長官が明言したように、米国は６カ国協議を重視している。６カ国協議は核問題と北朝鮮の安保・経済危機を同時に解決しようという構想により、行われてきた。相当な成果も出した。特にオバマ政権は積極的な交渉意志を表明している。北朝鮮に新しいチャンスが与えられたのだ。北朝鮮のミサイル発射はこのチャンスを逃してしまう結果となるだろう。