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そんな心配が現実となって現れたのは2006年だ。見掛けは派手だった。その年、『王の男』『グエムル』が相次いで観客が1000万人を超えた。しかし全体の収益率は-20%台に墜落した。前年より多く映画が作られた一方、お金を稼いだ映画は大きく減った結果だ。これにより韓国映画市場で1200億ウォンの超えるお金が損失として消えた。翌年2007年は状況がますます悪くなった。収益率は-40%まで落ち、損失額は1800億ウォンを超えた。
映画振興委員会キム・ミヒョン研究員は「映画市場に投資された資本の循環がよくならなかったのは付加版権市場が急速に委縮した影響も大きい」と挙げた。2000年代の初めからビデオ市場が没落した以後、韓国映画は映画館以外の新しい収入源を求めることができなかった。そんな渦中にも韓国映画平均制作コストはずっと増えていった。突破口で一時は海外輸出が注目された。しかし韓流ブームに乗って日本を中心に急増した輸出もまた急減した状態だ。
映画評論家ホ・ムンヨン氏は「『シュリ』以後10年は韓国映画もハリウッドのようにできるという幻想が挫折となって現われた時期」と要約した。「『シュリ』は韓国映画もハリウッドのようにできるという欲望をたきつけた。ちょうど吹いてきた韓流とぴったりあって、まるでハリウッドのように韓国映画もグローバル市場が可能だという幻想を生んだ」という指摘だ。彼は「ハリウッドのようにはできないというところから出発して、新しい10年のモデルを探さなければならない」と語る。
韓国映画『シュリ』その後10年、忠武路はいま(5)
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