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<ニュース分析>北、なぜそんなに焦る?(1)

活路が四方を防がれ、思うままにことが進まないと感じる心理状態が閉塞(へいそく)感だ。そうした場合に求める、簡単に感情を噴出できる対象が近くにいる人だ。家族でも良く、友たちでも良い。生け贄(いけにえ)を探し出して不幸の責任を被せることで、最小限の息をすることができる。運が良ければ心弱い相手が物質的な補償で懐柔してくるかもしれない。

北朝鮮の指導部は今、集団的な閉塞感にとらわれている。北朝鮮・祖国平和統一委員会(祖平統)が1月30日に発表した「南北(韓国・北朝鮮)間の政治、軍事的な対決の解消に関するすべての合意を無効化する」という声明は、驚くべきことでも、思いがけないことでもない。北朝鮮は1月17日、すでに軍服姿のスポークスマンをテレビに出演させて、韓国との「全面対決態勢」に入ると宣言した。

北朝鮮が取る次のカードが何かが気になっていたところで、出てきたのが祖平統の声明だ。要するに、北朝鮮は▽南北が互いを誹謗(ひぼう)するのをやめるとした2000年代の合意▽90年代の南北枠組み合意で約束した西海(ソヘ、黄海)上の北方限界線(NLL)に関する合意--に縛られず、思うままに韓国への挑発行為に出るということだ。


それは焦燥感の発露なのだ。北朝鮮があのように興奮し絶望することには理由があるだろう。2つを挙げられる。ひとまず▽各市民団体が北朝鮮にビラを飛ばしている点▽政府が国連の北朝鮮人権状況を非難する決議案の採択に共同提案国として参加した点▽自由民主主義体制による統一を目指すとした李明博(イ・ミョンバク)大統領の昨年11月16日の発言▽金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の重病説に関する情報を韓国情報機関・国家情報院が流した点--が北朝鮮を激発させた。

第二は、オバマ米新政権が北朝鮮問題を優先的に扱わない見通しとなっていることへの失望だ。北朝鮮は、オバマ米新大統領が大統領選の遊説当時、金正日委員長とオバマ氏の会談を含む高官レベルの朝米交渉を暗示したことに大きく励まされていた。そこで邪魔者が登場した。世界金融危機に加え、イスラエルがガザ地区を侵攻、空爆したことが、外交問題としての「北核」を確実に後回しにしてしまった。そこに金委員長の重病説が追加された。



<ニュース分析>北、なぜそんなに焦る?(2)

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