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韓国、犯罪者のDNA管理システムがない

7人を乱暴して殺害した連続殺人犯カン・ホスン容疑者が捕まった。警察はDNAの物証を通じ自白を獲得した。しかし国内には依然犯罪者のDNAを体系的に管理できるシステムがない。

◇4年間漂流中=盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権の17代国会で「遺伝子鑑定情報収集法案」が上程された。すると人権団体などが強く反発した。法案は自動的に廃棄された。昨年3月に法務部は大統領への業務報告で「遺伝子収集に関する法律を再び進めたい」とした。法案が再登場した背景は「京畿道安養(キョンギド・アニャン)で発生した小学生殺人事件」だった。

これによって性的暴行、殺人、強盗、放火など11の重罪犯の遺伝子を収集、活用できる法案が作られた。「遺伝子身元確認情報の利用および保護に関する法律案」に名称を変え、人権保護の装置を明文化した。警察は逮捕した被疑者の「同意」を得て、検察は刑が確定した受刑者からは「強制に」、それぞれDNAを収集、管理できるようにした。


しかし、立法案は依然として国会に提出できずにいる。被害者から抽出したDNAを保管している国立科学捜査研究所(国科捜)は、「犯罪者DNA情報銀行」づくりが急がれるという立場だ。国科捜のハン・ミョンス遺伝子分析課長は「約70カ国が関連法を制定した。韓国は事件が起きる度、情報を集めて捜査する。事件が迷宮入りしやすい」と指摘した。

◇人権侵害めぐる議論=遺伝子情報を収集する過程で、必要以上の個人情報が公開されうると懸念する声もある。高麗(コリョ)大の朴景信(パク・キョンシン、法学)教授は「DNAは指紋とは異なり、個人識別に向けた情報以上のものを含んでいる。収集する範囲が拡大する場合、国家が国民を監視するシステムが作られる」と述べた。

人権実践市民連帯のオ・チャンイク事務局長は「すべての犯罪者をもう一つの犯罪を犯しうる‘予備再犯者’と見なすことになる。映画『マイノリティリポート』のような統制社会が到来するだろう」と述べた。

これに対し、国科捜のハン課長は「犯罪捜査に活用されるのは、一般の人々の懸念とは異なって、個々人を識別できる最小限の情報だけを含んでいる」とした後「米国と欧州連合など約20カ国が情報を共有しているのも、人権侵害をめぐる懸念が大きくないからだ」と話した。



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