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【噴水台】クラックベリー



大活躍中の女性弁護士サマンサ。時間を割いてヘルスケアショップに行った彼女は、マッサージ受ける間、通信機器を使うことができないという事実に驚愕する。紙パンティーの中に密かに隠した無線端末機で電子メールを書いて見付かると彼女は抗言する。「私は30秒ごとにメールを確認する人です。ストレス解いてくれると言ってもそれがさせてくれないなんてなんてこと!」イギリスの小説家ソフィー・キンセラー作『ワークホリック』の一場面だ。

アメリカのジョージタウン大学保健大学院のベト・ジェイコブス学長は3年前、自分が深刻な「親指酷使症侯群」にかかったことを知った。無線端末機であまりにも多くの電子メールをやりとりしたせいだった。彼は「10時間の会議中150通のメールに返事したこともある」と打ち明けた。


小説の中でサマンサと現実のジェイコブス学長はともに「クラックベリー」(CrackBerry)マニアだ。この単語は麻薬の一種である「クラック」(Crack)とカナダのリム(RIM)社の無線端末機ブランド「ブラックベリー」(BlackBerry)を合成したもの。ブラックベリーの中毒性を麻薬に当てた。実際、ブラックベリーは英語圏の会社員の必需品として通じる。世界2100万人が毎日この端末機に通話して、書類作成をする。特に会社のサーバーに入って来る電子メールをリアルタイムでチェックすることができることから人気だ。関連造語も増えていく。ジェイコブス学長の疾患は別名「ブラックベリー親指」(Thumb)であり、これを解いてくれるマッサージは「ブラックベリー治癒」(Balm)だ。電子メール中毒の親に疏外された子どもは「ブラックベリー孤児」(Orphan)、文書作成のために両手にこの製品を握った姿勢は「ブラックベリー祈祷」(Prayer)で通じる。米国ビジネス用語辞書は 「blackberry」に「他動詞。携帯電話で電子メールを送る」という説明を付けた。グーグリング(Googling)が「検索する」という意味で使われるのと同じ理だ。

米国メディアは、最近、この製品にニックネームをまたひとつ加えた。「バラクベリー」(BarackBerry)だ。バラク・オバマ大統領がこの機器を一時も手放せないことに着眼した。オバマ大統領は、先日、ホワイトハウスの記者室に現れ「私が勝った。ブラックベリーを(ホワイトハウスでも)使うことができるようになった」と誇らしげにした。「セキュリティの問題が懸念される」とし「電子メールアカウントさえ削除してしまったブッシュ前大統領と対比される。多くの新造語から分かるように、この製品の盲点は仕事中毒症の激化だ。しかし大統領が候補時代のように多様な人と一対一で接触し、1日63分(RIM社統計)を節約し、もっと多くの決定をもっと早く下すといって嫌がる国民は多くなかろう。



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