発行するかを決める金融通貨委員会は先月２３日、企画財政部の要請を受け入れて １０万ウォン券発行を無期限延期することにした。よく言えば延期、事実上中断だ。金九（キム・グ）先生が主人公に決まると保守団体の反発が続いた。「１０万ウォン券は李承晩、５万ウォン券は朴正煕を使わなければならない」という主張も提起された。企画財政部は「高額券の必要性が大きく減り、インフレーションの懸念がある」という点を公式的理由に挙げたが「言えない事情がある」という点も否認していない。

良くても悪くても５万ウォン券は国民の生活に多様な影響を与えるものとみられる。貨幤の単位を下げるリデノミネーションはないとしても、心理的インフレをあおることはある。貨幤発行額の９０％に近いパーセントを占めてきた俗に言う「白菜の葉っぱ」（＝薄緑の１万ウォン札のこと）のステイタスが、今の５０００ウォン券の地位に落ちるかもしれない。

銀行は現金自動預け払い機を丸ごと替えなければならないと頭を抱える一方、この機械を作る会社の株価は特需に対する期待で上限価を走る。一般人もぴんぴんの５万ウォンを触る喜びに代わり、厚ぼったい財布が与える安堵感を譲らなければならない。物価の不安をさせず、経済を活性化させる国家経済の孝行娘の役割、これが５万ウォン券に与えられた使命だ。