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ジョージ・スムート米国UCバークレー大教授(64)は宇宙生成過程を研究した功労で2006年にノーベル物理学賞を受けた。 しかしまず有名になったのは従弟のオリバーだった。
1958年10月のある日の夜、ボストン市内とケンブリッジ地域をつなぐハーバード橋に、青年オリバー・スムートとその友達が現れた。 スムートが何度も横になって立ち上がる動きを反復する間、友達はペイントで下に線を印した。 彼らはマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちで、橋の長さがどれくらいか、身長が最も小さいスムート(170センチ)の体で測ってみることにしたのだった。 10スムートごとにペイントで表示しながら測定した結果、橋の長さは364.4スムートと「耳ひとつ」(one ear)だった。
橋のスムート表示は、彼らが卒業した後も後輩によって手を加えられながらMIT文化の象徴になった。 80年代末に橋が補修工事に入ったが、ボストン市はその表示を残し、橋の歩道の幅を1スムートに変えた。 この事実はオリバー・スムートが米国基準協会の会長まで務めて引退した後の2005年、ワシントンポストを通して世間に伝えられた。 興味深いことにインターネット検索サイトのグーグルはスムートを測量・計算単位の一つに採択し、MITは昨年10月、スムートを招請して「スムート50周年記念式」を開いた。
固定観念に挑戦する若者たちの客気とロマンを伝説に、歴史に、知識コンテンツに内面化していくことに米国社会の底力がうかがえる。 アップルの最高経営者(CEO)スティーブ・ジョブズが2005年のスタンフォード大学卒業式で、「バカのままでいろ」(Stay foolish)と言ったのも同じ脈絡ではないだろうか。 ジョブズは大学中退後に聴講した時期を振り返りながら「純粋に好奇心と直感だけを信じてしたことが後に貴重な経験になった」と語った。
私たちの社会から若者たちの元気よく活動しようとする覇気が消えていく感じだ。 最近は入学する前から公務員・資格試験など就職の準備を始める予備大学生が増えているという。 就職難の中、大学のキャンパスは成績とTOEICの点数に首っ丈になる、いわゆる「スペック戦地」になって久しい。 事前に疲れたからだろうか、狭い門を通過して入社する若者からも新鋭の溌刺さは感じられない。 感性と想像力で武装したダビンチ型の人材が脚光を浴びるようになったが、なぜか人材養成方式は逆に向かっているようだ。
従弟のジョージ・スムートが碩学招聘事業で1学期から梨花(イファ)女子大学で講義をする。 スムートが韓国の大学街を見て何と話すかが気になる。
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