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【社説】幹細胞研究ためらう間に世界が先行

バイオベンチャー企業のRNLバイオがきのう、脂肪幹細胞を利用してクローン犬2匹を誕生させたと発表した。体細胞ではなく脂肪幹細胞を利用したという点で特別な意味がある。2005年の黄禹錫(ファン・ウソク)事件以降、韓国社会で幹細胞にはどこか忌まわしいイメージが残っている。しかし世界の科学界は違う。依然として難病治療ができる奇跡の万能細胞とみている。こうした点からこの旧正月連休に米国と英国から伝えられたニュースをもう一度振り返ってみる必要がある。

英国政府は18日に生物工学会社のリニューロンに対し、ヒト胚性幹細胞の臨床試験を許可した。脳卒中で全身が麻痺した患者に幹細胞を注入して損傷した脳細胞を再生させようというものだ。1日後に米食品医薬局(FDA)もバイオ企業のジェロンの胚性幹細胞の臨床試験を正式に許可した。下半身が麻痺した患者8~10万人に幹細胞を注入して神経を生き返らせるという実験だ。胚性幹細胞はすでに動物実験で完全な神経細胞として発達し損傷した神経を治すのに成功している。

米ブッシュ政権が2001年に胚性幹細胞研究に対する連邦政府の資金支援を制限した後幹細胞研究は足踏み状態となった。オバマ政権は近くこれを見直すのは明らかだ。オバマ大統領は「ブッシュ政権の誤った政策が難病患者の希望を奪ってしまった」と批判してきた。熱烈な幹細胞賛成論者のトム・ダシュル氏を保健社会福祉相に内定したのもこうした布石のひとつとみられる。オバマ政権は幹細胞が新たな巨大産業を興し米国経済回復に大きな役割を果たすとの期待感も隠さずにいる。


米英が資金と人材を集中すれば幹細胞研究の主導権を握ることはそれほど難しくはないだろう。世界の未来学者らは今後代替エネルギーと幹細胞を先取りする国が世界の経済危機の真の勝者になるとしている。われわれものけ者にされていてはいけない。いつまでも黄禹錫事件に足を引っ張られているわけにはいかない。生命倫理と安全に関する法律が認める範囲で最大限幹細胞研究に拍車をかけなくてはならないだろう。そうすれば韓国経済にも希望がある。



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