日本人の前田譲さん（６３）はソウル市内の居酒屋のインテリアを担当してきた人物だ。 前田さんのインテリア哲学は日本文化の雰囲気を漂わせることだ。

店の入口には日本の伝統の酒樽を積む。 その横に日本伝統の達磨を置く。 達磨は厄払いという意味で赤く塗られている。 何度倒れても起き上がる達磨を店に置いて意志を固めるという日本の風俗が、飲食店の装飾物を通じて世界に伝えられる現場だ。

カウンターには幸運と繁盛を祈る招き猫がある。 前足で人を呼ぶ姿をした猫の飾り物だ。 右手を挙げた猫は金銭運を呼び、左手を挙げた猫は人や客を呼ぶといわれ、日本の多くの店がこの招き猫を置いている。


壁には歌舞伎俳優や力士、都市の風景、富士山などを描いた浮世絵が飾られる。 歌舞伎や能の公演ポスターを壁に貼ったりもする。 日本の国技である相撲の番付表もある。 日本のかなと漢字を組み合わせて独特の雰囲気をかもし出す書芸作品も欠かせない。 座敷には畳を敷かれ、侍やきもの女性の伝統人形を置いたりする。

食器は日本の陶磁器で、汁物には椀が使われる。 こうした雰囲気に合わせて生け花などのソフトウエアが加われば、まさに日本現地に来たような雰囲気になる。 日本の食文化を韓国の居酒屋で感じられるということだ。