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「走ることで小説を学ぶ」男、村上春樹(1)

『走ることについて語るときに僕の語ること』

村上春樹(60)は日本文学史上、海外に最も多くの読者を持つ作家だろう。村上が世界的な人気と知名度でノーベル文学賞候補に3度も上がった三島由紀夫(1925~1970)を凌駕する理由は、村上の意識の軸と活動舞台が狭い日本にとどまらず、ヨーロッパと米国にまたがっているからだろう。三島が侍精神と帝国主義大日本と天皇に対する忠誠に執着したプリモダン作家だとしたら、村上は外部指向的なポストモダン作家だ。村上の長編小説と短編小説では空からイワシ、アジ、ヒルが落ち(『浜辺のカフカ』)、東京の地下から人間とカエルが協力して地震を予防し(『神の子どもたちはみな踊る』)、人が壁を突き抜けて飛び回る(『ダンス・ダンス・ダンス』)超現実世界がしばしば登場する。

村上はケンブリッジで暮らしながらハーバード大学で講義を聴き、マサチューセッツ工科大学において英語で文学の講演をし、J・D・サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』とF・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を日本語に訳した。村上は英語で講演をすることに不便を感じない。多くの有名な日本人作家の中で、村上ほど世界化された作家は今までいなかった。


村上のファンたちは彼が「どのような動機で作家になったのか」「小説をどのように書いているのか」「なぜ毎年フルマラソンに参加するほど、走ることに熱中するのか」ということに関心を抱いている。文学思想から出版された韓国語版『走ることについて語るときに僕の語ること』(翻訳 イム・ホンビン)は、読者の疑問に明快な答えを出している。『走ることについて語るときに僕の語ること』は走ることを軸にした村上の個人史だ。しかし、これが村上の手で書かれた以上、歴史的な回顧録となる。それは「小説家に唯一の方法のようなものはない」と言う小説作業の本でもあり、村上独特のウィットが感じられ、美しい詩的な散文でもある。



「走ることで小説を学ぶ」男、村上春樹(2)

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