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【噴水台】光の公害



1938年7月、米国シカゴ大学所属のナサニエル・クライトマンはひげで覆われた顔をして32日ぶりに洞窟から出た。洞窟の中で彼は1日を28時間と決めて生活したが、新しいリズムにとうとう適応できなかった。人体の内部には太陽が浮かんで沈む24時間に合わせられた力強い時計が存在するからだ。

動植物も陽光の影響を強く受ける。稲、エゴマ、コスモスなどは秋期に短い日の光を受けると花を咲かせて実を結ぶ。昨年3月、イギリスのロスリン研究所と日本の名古屋大学研究チームは、春になって鳥がつがいを作るために歌を歌うことも陽光の影響であることを明らかにした。おすのうずらは昼が長くなって光をたくさん受ければ、脳下垂体が刺激を受けてホルモン分泌が増え、精巣が大きくなって相棒を探す歌を歌うようになるという説明だ。


生物には陽光がない夜も重要だ。まっ暗な夜は蛍火がおすがめすに自分の存在を現す時間だ。小さくて弱い動物が捕食者を避けてえさを求める時間でもある。しかし人間が作り出した人工の光はこうした夜の秩序を乱している。人工衛星から見下ろした地球の夜は眩しいくらいだ。長年の地球の歴史を通じて昼と夜、四季の変化に慣れた生物たちがとんでもない季節、とんでもない時間に明るい光に会ったら混乱をきたすほかない。

人工光は人類である自らにもブーメランとなっている。世界人口の3分の2ほどが星の明かりでいっぱいになった夜空を見られない。オーストラリアでは自国の象徴である南十字星を1つずつ失っていっている。国旗に描かれた星を肉眼で見られなくなったのだ。昨年2月、イスラエル研究チームは夜中に電灯やテレビ画面のように人工光に露出した女性が街灯なしに暗い所に住む女性に比べて乳房がんの発生率が37%も高いという研究結果を出した。

最近はまた、米国ミシガン州立大学研究チームは、建物のガラス窓や自動車、ビニールの覆いを通じて出るかここに反射した光が動物たちを混乱させると指摘した。昼に陽光が反射することも含まれるので光公害は日夜をわかたないと言える。

ここ何年もの間、国内でも都市景観のため、ますます多くの明かりを灯し、さらに明るい街灯を設置している。必要な所にだけ光を照らす照明技術も発展し、その気になれば光公害を減らすこともできる。これからは人の必要と便利さだけ追求するのではなく、闇を願うほかの生物のことも考える時がきたのではないだろうか。



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