韓国サッカーの長年の宿題は「門前処理未熟」だ。ゴールポストの前まではパスをうまくつなぎながらも、いざシュートチャンスではむなしい一発を飛ばす早急さと不正確性をよく表している。

サッカーのゴールポストは勝負をつける所だ。ボールをここに入れるかどうかで勝負が変わる重要な部分だ。人の日常的な生活でも門をどう管理するのかは非常に重要だ。


昔から東洋社会では門の前の状況で家主の成功を予測することがあった。門の前に人々がたくさん集まり、市場前の通りのような騒がしさを見せるのは門前成市だ。高い地位に上がった人の大門の前には権勢家を利用しようとする人々が騒ぎ立てるものとされる。

人々が乗ってきた車や馬がその家の大門の前に集中する姿には車水馬竜という成語を使った。車は水のようにつながって、言葉は竜のように長く並ぶという意味だ。

その反対の場合もある。権勢というのは泡のようなものなので、できてはすぐ消えるということが常に起こるからだ。同じく門の前の状況に対する描写として権勢家の没落を表現する。門の前がこの上なく寂しという意味の門前冷落だ。

門の前に集まって来た車や馬が途切れていく状況は、門前冷落車馬稀と表現した。『史記』を書いた司馬遷は一歩踏み込んだ。

強直な発言で皇帝の信任を買った２人の高官が皇帝から憎まれ、地位から下りた時を司馬遷はこう描いた。「門の前には雀を捕る網を置く程度だった（門外可設雀羅）」権力を前に置いて行動する人々を天秤にかけることは、ひいてはその世相のはかなさが濃く染み出る形容だ。

自分自身の門前をうまく管理することは官僚になった者が持つべき美徳だ。権勢にへつらうため訪れる人々とむやみに絡んでは、うろたえてひどい目に会う。私的な縁結びを慎んで自らを私欲と不正に染まらないように治めることは門の管理に始まる。

人事の季節だ。主要部署の長官などが変わり、後を引き継いで次官席の人事異動があった。世の中が大きく変わったとは言うが、高位職官僚の不正直な行為は常に続いている。

公と私を厳格に区分して私情のからまない官僚が国の棟梁だ。新たに地位に上がった高位職の公務員たちは何とぞ「門前処理未熟」の持病から脱却したらいいと思う。「責任は重く、行く道は遠い（任重而道遠）」は孔子の言葉。難しい国家の状況でポストに就いた新官僚たちが肝に銘じるに値する。