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クラゲと五香醤肉・エビなどを混ぜて作る中国料理の一つが三品冷菜だ。 韓国人の口に合って名前が広く知られ、「三品」といえばすぐにこの料理が思い浮かぶ。
政治にも三品がある。 料理に使われる三品というのは3種類の材料をいう言葉だ。 しかし政治でいう三品は種類を区別するのものではなく、等級の概念だ。 上品、中品、下品の政治だ。
漢の時代に劉向が書いた『説苑』という本にはこうした言葉が出てくる。 「政治に三品があるが、仁政は相手を変化させ、覇者の政治は人を威圧し、強い政治は相手を脅かす」(政有三品,王者之政化之,覇者之政威之,強者之政脅之)。
儒教的な観念で最も理想的な政治は王者だ。 物理的な力に頼らず対象を自身の徳で引き込む方法だ。 その次が覇者だ。 威厳と気勢で人を率いる政治だ。 強者は最も下だ。 「強い政治」というが、強引さが伴った統治方法だ。 劉向はこのように政治を三等級に分けた。 王者の政治はその統治方式に先立ち、正誤をきちんと分ける文化的な土台がなければならない。 覇者の統治は最近の言葉でいえば、法規と制度による治世方式だ。 刑罰によってのみ過ちを問う脅迫的な統治方法が強者の政治だ。
是非を見極めて正しいことを受け入れられる文化がないため、最近の韓国で儒教の政治的理想を実現するのは不可能だ。 かといって、法規と制度がしっかりしていてルールを承服するという文化もないため、覇者の政治も適切でない。 過ちに対しより直接的に一罰百戒式の強圧を加える強者の政治が韓国の水準には合う。
ハンマーを持ったり市井雑輩水準の暴力を見せたりする国会議員を法で統べるのは当然だ。 国会暴力防止法でも作って代議政治の根幹を揺るがす低質の国会議員を抜き出すべきだという点には異見を唱えたくはない。
しかし現実がどんなに惨めでも理想の高貴を捨ててはならない。 対話と妥協の余地をさらに広めて相手を説得する努力は大統領の役割だ。 最近のラジオ演説で野党だけを叱責した大統領の姿勢はだから問題だ。 人のせいにする前に自分の問題を考えられてこそ真の指導者だ。
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