対策はないのか

◆匿名性の陰は補うべき＝信頼が専門家集団の自省だけで復元されない。サイバー空間の自浄も伴わなければならない。今回の事態をきっかけに「匿名性」を補う装置を用意しろという指摘が出る理由だ。心理学者たちは匿名性そのものが攻撃性を内包していると警告する。ソウル大クァク・クムジュ教授（心理学)は「インターネットで自分を隠した状態では人に直接接するより攻撃性が６倍程度高くなるという研究結果がある。サイバー空間で行き交う言葉が特に過激で刺激的なのはこのためだ」と説明した。

ミネルバシンドロームの裏面には「信じないなら結構」といったルーマー拡散に寛大なインターネット文化が居座っている。狂牛病ろうそくデモで出回った女子大生死亡説や故チェ・ジンシルさんに対する消費者金融業者説のように匿名を武器にした文が社会を混乱に追いこんだ。明智大チョ・ドングン教授（経済学）は「名前を名乗らないから共益と人権が既存しっぱなしの事例が出る。例えば“本人確認制”を強化して文に最小限の責任を問わなければならない」と主張した。


今回の事件を通じてハンナラ党が推進中の「サイバー侮辱罪」の導入や「本人確認制」の強化は議論がエスカレートしていくものとみられる。延世大キム・ホギ教授（社会学） は「インターネット上での共益・人権侵害は放置できない水準というのは事実」とし「表現の自由をどう両立させることができるか、深く論議していかなければならない」と話している。



サイバー空間に見たミネルバ＜下＞１