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【社説】青瓦台から汝矣島まで総体的な政治危機

韓国はいま、深刻な政治危機に直面している。ただの危機ではなく、政治のすべての主体が機能を喪失した総体的危機だ。先進国は政治リーダーシップが経済回復を引っ張っているが、韓国では稀代の経済危機に政治危機まで重なっているのだ。政治が故障した時計のように動きを止め、ひとつにまとまるべき国民的危機克服の意志がばらばらになっている。

政治は国のリーダーシップの母体であり、経済・社会危機から国を救う命綱だ。政治リーダーシップの核心は権威と信頼だが、2つとも崩れ落ちている。大統領から国会議長・院内代表に初選議員まで、保守だけでなく進歩勢力のリーダーまで、権威が墜落している。その原因は信頼崩壊のせいだ。国民と政界、行政府と立法府、国会議長と議員、与党と野党、リーダーの言葉と行動の間で信頼がつぶされているのだ。

李明博(イ・ミョンバク)大統領もきのう、「深刻な政治危機」を衝撃的に嘆いた。大統領が動きの止まった政治状況を正確に認識しているという点は慰めになるといえよう。しかし政治危機の責任の一端は国のリーダーシップの頂点といえる大統領にあるといえる。大統領もその責任を痛感し、政治が正しく機能するようにするため特段の対策を出さなくてはならなかった。しかしすべての責任を国会の暴力騒ぎにだけ転嫁してしまおうというような態度には失望だ。昨年のろうそくデモの際に大統領は法を守り抜くのに失敗した。違法勢力に市庁前と世宗路を明け渡し、結局は国会本会議場とロタンダホールを明け渡したのだ。繰り返し注文しているが、疎通と説得という政治力の発揮は依然として見当たらない。


大統領の命令がないのに反対勢力に国会議長と多数党が目に入るだろうか。執権政党はハンマーという代価を払いながら韓米自由貿易協定(FTA)批准案を上程したが野党の腕力に屈服した。経済・社会改革法案やメディア法も同様だ。執権勢力は速度戦だ、立法戦争だと叫んでおきながらすべてをそっと後回しにした。

われわれは乱闘となった国会は終わらず、後遺症は長引くと指摘した。案の定、国民を愚弄するコメディが続いている。民主党は違法占拠で国会を長期間まひさせ、自粛・謹慎モードに入らなければならなかった。それでも議員9人が会期中にタイにゴルフ旅行に行った。週末だ、個人費用だと言うが、問題はそういうレベルではない。国会を乱闘の場にしておきながら何もなかったかのように行動する彼らに公人意識や恥ははなからなかったのか。国会はまた開かれたが、企画財政委員会、法制司法委員会、文化放送委員会、外交通商委員会の議員らはいろいろな理由をつけて外遊に出たり出ようとしている。慣例だというが議政活動というより大事な慣例はなぜ決死で守れないのか。彼らに国民は眼中にもないようだ。

国会のリーダーである院内代表らは先頭に立って国会をコメディにしている。彼らはテレビのトークショーに出て互いに褒め称え肩を組んで歌を歌った。コメディ番組の「鳳仙花学堂」を見ているようだ。彼らは米国・メキシコに外遊に出ようとして世論の非難を浴びキャンセルした。こうした人たちがリーダーというのだから国会の品格は地に落ちたのだ。民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)代表は、「格闘技・空中浮揚」の暴力を謝罪するとし、「国民だけが私を審判できる」と述べた。韓国の進歩勢力のリーダーの水準がこの程度だから保守ほどに進歩も危機なのだ。

国会内部でも「国会レベルの一大整風運動、道徳再武装運動」が取り上げられている。整風を超える政治再建運動が必要だ。政治がその機能を発揮しなければ危機克服のための国家的機能が作動しないためだ。大統領と執権政党は法と秩序、そして約束を守り抜くことで権威と信頼を取り戻さなければならない。野党も議会民主主義の復元に率先すべきだ。2月の国会が試験の舞台になるだろう。暴力追放など大々的な国会改革は政治再建の地ならしになる。



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