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ユ・ハ監督「チョ・インソンの全裸シーン撮影の後、一睡もできず」(2)

#マッチョへの軽蔑と魅惑が映画の動力

--同性愛の素材にどんな意味があるのか。

「恋愛の劇的な装置と考えていただけだったが、観客の反応を見て、私がひどい同性愛の映画を作ったんだなと感じている。事実上『霜花店』は作られた人間の形についての物語だ。作られた性的アイデンティティー(同性愛者)として生きてきたホンリムが、自身のアイデンティティーに気付く瞬間、すべてを失ってしまう。私の一貫した関心事であるマッチョイズムにもつながっている。私はマッチョ的に育てられたが、同時にそれを軽蔑(けいべつ)することもある。マッチョへの軽蔑と魅惑が私の映画的な動力なのだ。ホンリムを通じては雄性を、王を通じてはマッチョイズムと男根性の向こう岸を、それぞれ語ろうとした。同性愛の基本的な悲劇性というのは、子どもを産めない不毛性のユートピアを夢見ることなのでは」。


--シナリオを書く際、セリフが自然なのかを見るため、直接セリフを演じてみながら書き、俳優の私生活も統制していたそうだが。

「俳優がキャラクターから抜け出せないよう、随時何をしているのかをチェックした。俳優は褒め言葉を食べて生きていく生きものだが、私は称賛に寛大でない方だ。その代わり、演技が不自然な場合、俳優にもっと求めるよりは自分が書いた台本を疑う。9割はセリフやト書きが間違っている」。

--今後の計画は。

「監督は映画を撮影するときを除いては、ネタ探しに没入する。私は主に空想にふける。監督は自分の映画を通じて自分の無意識を見出すが、これまで私の映画はいずれも主人公が死亡、痴情(ちじょう)、破綻(はたん)、悲劇などに至り、死のイメージが強すぎた。映画を撮る間は自らも非常にダウンする。映画を通して自分がどれだけニヒリストなのかに気付くというか。次回作は明るく愉快な映画にしようと思っている」



ユ・ハ監督「チョ・インソンの全裸シーン撮影の後、一睡もできず」(1)

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