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このところ外為市場に介入していなかった日本銀行が、「円高阻止」のため本格的に乗り出す意向を明らかにした。
日本銀行の白川方明総裁は4日、NHKとのインタビューで、「世界経済が急速に悪化する中での円高は、日本経済に短期的にマイナスな影響を与えている。そうした影響を踏まえ日本銀行として金融政策を含む対応策を考えていきたい」と述べた。
日本銀行はこの4~5年にわたり外為市場への介入は控えてきた。白川総裁はこのため民間銀行の貸出金利を引き下げることと、企業が投資資金を容易に確保できる案をともに考慮していると話している。
こうした日本銀行の立場は、中川昭一財務・金融相が先月、「外為市場に介入する準備はできている」と発言したのに続くもの。したがって政府レベルで円高への対処の動きが本格化しているものとみられる。麻生太郎首相もこの日、「なにより景気低迷に対する対策をまとめることに集中したい。複数の経済政策手段を持って迅速に動きたい」と述べている。
このように日本政府が為替相場に神経を尖らせているのは、経済を支える輸出が打撃を受けているためだ。ブルームバーグはこの日、「先月はドルに対し円が13年来の高水準となった。欧米市場の沈滞ともあいまってトヨタ自動車のような日本の輸出企業が大きな打撃を受けている」と報じた。売上の74%を海外販売に依存しているトヨタは昨年12月に1500億円の営業損失を記録した。1937年の創業以来初めての損失だ。トヨタは3月末に終了する今年度に16億3000万ドル程度の損失を出す見通しだ。
しかし市場専門家らはこうした対策について懐疑的だ。AFPは「アナリストらは日本銀行がすでに昨年12月19日に基準金利を0.3%から0.1%に引き下げた状態であり、ドルが高くなる可能性も小さいため、今回の対策の実効性に疑問を提起している」と伝えている。
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