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新年になれば日の出を見るために慶尚南道(キョンサンナムド)統営(トンヨン)沖を訪れる人が多い。 真っ赤な太陽が最初に照らすのは意外にも沿岸を埋めたカドゥリ(枠)養殖場だ。
カドゥリは「ものを囲む縁」という意味の韓国語だ。 養殖業では海を一定の大きさに区画する金属の枠をいう。 ここに網を設置した後、魚を入れて育てる。 韓国がこの方法を導入したのは1980年代末だ。 政府は漁村の収益増大のためにカドゥリの設置を督励した。 「獲る漁業から育てる漁業に」という標語はこの時に出てきた。 これを受け、南海岸の沿岸を中心に汝矣島(ヨウィド)の約1.5倍の広さ(1200ヘクタール)のカドゥリ漁場ができた。 漁民の所得は増え、船に乗る労苦は大きく減った。
カドゥリの効用を看破した企業がある。 ネイバーを運営するNHNだ。 グーグル・ヤフーが「情報検索の関門」という本来の役割に集中している時、同社はより多くのネットユーザーを集め、長く生き残る方法を探した。 統合検索・知識iNなどのサービスがこうして誕生した。 広告・ゲーム・ニュース・音楽など、すべての情報を内部に取り入れた。 戦略は的中した。 ネイバーの検索シェアは現在70%を上回る。 ネットユーザーはネイバーの外へ出ることがなくなり、コンテンツ事業者は保有する情報を安値でも売ろうとした。
こういう「ネイバーカドゥリ」に最近、亀裂が生じた。 ブロガーたちは、ネイバーはネチズンが作った情報で大金を稼ぎながら補償はしない、と叱責する。 NCソフトは新ゲーム「アイオン」の大規模プロモーションをしながら、主要ポータルのうちネイバーにだけは広告を出さなかった。 安哲秀(アン・チョルス)研究所は最近、NHNを排除して他のポータルとだけセキュリティーサービス提携を結んだ。 政界と公正取引委員会、著作権団体の圧力も激しい。 友軍は多くない。 一人で成長を追求する過程で潜在的な同僚を何人も失ったからだ。
カドゥリ漁場にも似た逆作用がある。 網の中は汚染しやすい。 魚が食べて残した飼料と排泄物のためだ。 魚が逃げないように目の細かい網を使えば事態はさらに悪化する。 水の流れが悪くなり、海の自浄作用を期待するのが難しくなる。 赤潮現象や油流出事故などはもっと避ける方法がない。 国内カドゥリ漁場の生産性が2000年以降ずっと落ちている理由でもある。 カドゥリモデルは諸刃の剣だ。 周辺の生態系との疎通がふさがれば永続はない。 NHNも知らないはずはないだろう。
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