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1962年。 米国の小さなレンタカー会社エイビス(Avis)が野心に満ちたスローガンで人々の関心を集めた。 「私たちはナンバー2なので、もっと頑張ります」(We Are No.2. We try harder)
この広告は神話的な成功を収めた。 2位といっても当時市場の70%を掌握していたハーツ(Hertz)とは比較にならなかったエイビスは、この広告の連作の成功で一年間で50%の売上伸張を記録するなど勢いに乗った。 今でも業界1位ではないが、2007年末現在、資産規模が69億ドル(約8兆ウォン)に達する世界的な企業であり、‘ナンバー2マーケティング’という言葉はあらゆる広告教科書に載せられた。
‘誰もナンバー2は覚えていない’という言葉にもかかわらず、エイビスの戦略が成功した理由は何か。 ナンバー2マーケティングの核心攻撃対象は自身を上回る1位ではない。 自身と似た3位・4位・5位だ。 当時、エイビスのナンバー2マーケティングは消費者にあたかもエイビスとハーツがレンタカー市場を二分しているような印象を与え、その意図通りにエイビスはほとんど差のない同級競合社を抑え、1位を脅かすライバルに成長した。
こうした真意を把握できなければナンバー2マーケティングは特に意味がない。 国内でも自らを2位と強調する保険会社広告、ラーメン広告などがあったが、大きな反響を呼ぶことはできなかった。 外形だけを真似たからだ。 一方、これを自ら実践し成功している芸能人がいる。 カン・ホドンだ。
韓国ギャラップが毎年年末に実施する「今年の芸能人」アンケート調査で、ユ・ジェソクは2008年49.9%の支持を受け、4年連続で最高のコメディアンに選ばれた。 カン・ホドンは37.7%で2位。 ところがカン・ホドンはこの一年間、終始、自分が進行するプログラムで「大韓民国最高のMCはユ・ジェソク」としつこいほど強調してきた。 さらには昨年12月28日にKBS(韓国放送公社)演芸大賞を受けた際も「ジェソク、この賞を私が受けても本当のいいのだろうか」という言葉を残したほどだ。
カン・ホドンは2008年3大地上波テレビのうちKBSとMBC(文化放送)の年末演芸大賞を手にし、ユ・ジェソクを脅かす最も強力なライバルになった。 そうでありながらも自分を最高でないと認める謙遜さを見せ、独特の攻撃的なイメージを和らげる効果まで享受したのだから、2008年芸能界の真の勝者はカン・ホドンではないだろうか。
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