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「代表チームに選抜されるほどならすでに恩恵を受けている選手たちだ。 目に見えない損失ぐらい我慢しよう」
金寅植(キム・インシク)WBC代表チーム監督が強く注文した。 韓国シリーズ2連覇を達成した金星根(キム・ソングン)SK監督、北京五輪金メダルをもたらした金卿文(キム・キョンムン)斗山(トゥサン)監督が辞退した後に引き受けた席であるだけに、金寅植監督の言葉には重みが感じられる。 「大会が近づけば睡眠も十分には取れないだろう」と吐露するほど負担になるポジションだ。
4年前の脳梗塞の後遺症で挙動がやや不便な金監督は、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で4強神話を築いた後、「代表チーム引退」を宣言した。 「国内試合とは違い、WBCは試合前に選手と監督をグラウンドに立たせてオープニング行事をする。 脚が不自由なので少しつらい。 ひょっとして‘韓国には指導者がいないため体の不自由な人を出したのでは’という視線を向けられるかもしれない」というのが金監督の率直な気持ちだ。
しかし韓国野球委員会(KBO)は金監督に再び重責を依頼し、金監督は悩んだ末、これを受諾した。 ベテラン監督の勇断にもかかわらず、いくつかの球団はコーチングスタッフ選任の過程で協力しない‘球団利己主義’を見せた。 何とかコーチングスタッフを確定し、エントリー32人の第2次候補リストまで発表した状況で、金監督は再び‘使命感’を強調した。
金監督は逆説的に「選手は北京五輪金メダルの記憶を忘れるべき」と注文した。 「13年ぶりの観客500万人突破、北京五輪金メダルという陶酔したムードから抜け出せなければ、またファンに背を向けられる」というのが金監督の考えだ。
また09年にはファンへの恩返しとして野球の熱気を高めようと提案した。 「新年は経済がもっと厳しくなるが、選手がグラウンドで最善を尽くす姿を見せることで、観客が試合を観戦する間だけでもつらいことを忘れられればよいと思う。 これが選手とコーチングスタッフの使命だ」。
また金監督は「大韓民国で最も優れた選手が集まるのが代表チーム。 現在の選手たちは過去に比べて多くの恩恵を受けている。 それだけに国家のことも考えなければならない」と強調した。
「今回のWBCは選手に兵役優遇措置を与えない。 物質的な利益がなければ頑張らないという考えではいけない。 代表チームに選ばれるほどならすでに恩恵を受けた選手たちだ。 時には目に見えない損失があっても受け入れなければならないこともある」と主張した。
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