フィリバスター（ｆｉｌｉｂｕｓｔｅｒ）とは、国会で少数派議員たちが多数派の独走を阻んだり、そのほか必要に応じて合法的な手段と方法を使って議事進行を故意に妨害する行為をいう。語源は「海賊」という意味のオランダ語だ。

代表的な方法は長期間にわたって演説をすることであり、その元祖は米国だ。１８４１年、民主党上院議員たちが銀行法通過を阻止するために順に長広舌をふるい始めたのが最初といわれる。


フィリバスタリングの難点はトイレの問題だ。演壇を離れれば発言権を失うからだ。１９５７年２４時間１８分間マイクを取ったストロム・サーモンド上院議員の場合を見てみよう。彼はあらかじめサウナに行って体の中の水分を最大限排出してきた。発言中には秘書がバケツを持って「緊急事態」に備えた。彼が反対した民権法は最終的には通過したが、最長時間演説記録を残した。

最近は実際にマイクを取る必要はない。そのまま「フィリバスターをする」と知らせればよい。

ただ上院の多数党の代表が「実際にしろ」と要求した場合には実行が必要だが。

フィリバスターを阻む方法がある。１９１７年、上院在籍議員３分の２が賛成すれば討論を終結する規則が導入された。この条件は７５年在籍５分の３、すなわち６０席に緩和された。

１１日、米国自動車産業に１４０億ドル規模の救済金融を提供する法案が座礁したのはこの壁を越えることができなかったからだ。この日、上院はフィリバスターを許可しない表決を実施したが、賛成５２対反対４５で否決されてしまった。

フィリバスターはイギリス、フランス、カナダなど議会政治が発達した国家で広く活用されている制度だ。バラク・オバマ米国次期大統領は著書『合衆国再生－大いなる希望を抱いて』でフィリバスターを「多数の横暴の危険を遮断する防火壁の役割をする」と評価した。

民主党議員たちの国会本会議場占拠が今日で１３日目を迎えている。議事進行を不法的に源泉封鎖したゆえ少数党の横暴だ。むしろ先進国のフィリバスター制度を取り入れればどうだろうか。現行国会法は議員たちの発言時間を厳格に制限しており、これが不可能だ。野党もこれに反対する必要はない。ハンナラ党の現在議席数は１７２席で、全議席の５分の３には及ぶことができない。討論の終結、表決を恐れなくてもいいということだ。無制限の発言時間を与えれば討論でもまともにやるのではないか。国際的な恥さらしも避けることができるわけだし。