‘年末の為替レート’が重要である理由はこうだ。 まず年末の為替レートは金融機関の国際決済銀行（ＢＩＳ）比率に大きな影響を及ぼす。 また外貨負債の多い企業や通貨派生商品加入企業の損失規模を左右する基準になる。 今年最後の取引日である３０日に決まる３１日の売買基準為替レートが、企業会計帳簿上の外貨負債を韓国ウォンに換算する基準になるからだ。 したがって通貨当局はドル売りや銀行への協調要請で為替レートを安定させようとする。

例えば米貨１億ドルの外貨負債がある企業の場合、売買基準為替レートが１ドル＝９００ウォンなら負債が９００億ウォンになるが、為替レートが１ドル＝１２００ウォンの場合、負債は１２００億ウォンに急増する。 しかし通貨当局が一時的に為替レートを安定させる場合、年初に急激なウォン安ドル高になるなど副作用が生じるケースもあるため、金融機関にとっては‘うれしくない方法’だ。 当局がウォン高ドル安を維持する場合、一部の投機勢力がドル買いに動いたり、年初のドル買いが増えるため、反騰が避けられないからだ。

銀行の関係者は「政府が為替レートの安定に協調を求めることはあるかもしれないが、銀行は仲介の役割に忠実でなければならないため、‘ドル買い禁止’をお互い調整するのは難しい。人為的な介入なくできるだけ安定させるのが最も良い方法」と説明した。