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【社説】狂牛病ろうそくデモのような混乱をまた起こすのか

韓国社会が混乱と分裂の道へと進んでいる。与党が進めている経済・メディア・社会秩序改革法案に対し野党が激烈に反対し、国会は戦場に変わった。言論労組がストを行い、進歩的市民団体がここに割り入り理念戦争が起きる兆しが濃厚だ。事案の本質をただす冷静さよりは、「李明博(イ・ミョンバク)印の悪法」「財閥法」というポピュリズムの掛け声が乱舞する。今年の夏に韓国社会の理性と都心をまひさせた過激ろうそくデモが再燃する懸念まで出ている。

こうした状況でわれわれは狂牛病騒ぎに対する憲法裁判所の最近の決定を反芻せずにおれない。民主弁護士会は米国産牛肉輸入が国民の生命権を脅かすという趣旨の憲法訴願を出した。しかし憲法裁は政府が生命権を保護するため適切で効率的な最小限の措置を取ったとしてこれを棄却した。憲法裁の決定の核心は、民主弁護士会などの主張が相当部分で根拠に乏しい誇張であり、感性に偏った杞憂だということだ。わずか数カ月で「誇張」と「杞憂」と判断した事案をめぐり韓国社会がこれほど大きな困難を味わっているのだ。実にもどかしいとしかいえない。

もちろん、政府の不十分な交渉と政策的失敗は批判されてしかるべきだ。また政権が教訓を得て、牛肉輸入条件がさらに厳格になる「結実」もあったという主張もある。しかしこれは狂牛病問題をめぐる代価としてはとても少ないものだ。事態の本質は科学と理性を度外視するほぼすべての迷信水準の狂牛病のリスクを一部の扇動勢力が膨らませたものだ。ここにこれを機会に選挙で誕生した政権に打撃を加えようという一部勢力の政略が加勢した。その結果、暴力デモ隊に警察・メディア・市民がテロに遭うという法治国家ではありえないことが起きたりもした。3兆7500億ウォン(約2700億円)の社会的損失が発生したと韓国経済研究院は推定している。あまりに浪費的な分裂と対立を経験したのだ。こうした状況にまたも国論分裂が気分のよくない兆しとして近づいてきている。


ハンナラ党が年内に処理しようとしている法案に無理な理念性はないというのがわれわれの判断だ。金産分離緩和は経済回復につながり、メディア法改革は世界的な流れに合わせたものだ。それでも反対勢力はこれを無条件で「独裁悪法」などと騒ぎたて、扇動・占拠政治に依存している。いまや国民が目を見開き冷静に見守った後に懸命な判断を下すしかない。



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