夏の太陽と冬の太陽が違うことはありえない。しかし冬には太陽が低く見える。したがって窓から入る日ざしが冬には居間と部屋の床に長く横たわる。太陽が地球を照らす角度が低くなるために生ずる現象だ。

日の光と指標の成す角度が低くなれば太陽から伝わる熱エネルギーは相対的に落ちる。冷たい北西風が吹きながら冬の気温はまたさらに下がるものと決まっている。冬の気温が夏に比べて大きく下がり、寒さが押し寄せてくる理由だ。


北半球の冬はたいてい冬至に始まって春分が来る翌年３月２１日に終わる。北半球の冬の寒さは苛酷なことが多い。特に暖房の条件がまともに備わっていなかった昔は、寒さに勝とうとする多様な努力が行われた。

心が寒ければ冬はもっと寒い。過去、東洋社会では心から寒さを消そうとするこうした努力を、梅を描くことで定着させた。いわゆる「九九消寒図」だ。中国ではしっかり民俗の一つとして位置づき、朝鮮の士たちもこれを楽しんだ記録が多い。

内容といえばこうだ。冬を冬至から始めて翌年の初春までの８１日と見なした。各９日を９回過ごせば春だ。それで木の枝に８１輪の白い梅を描き、毎日ひと花ずつ赤を加えていく。梅８１輪がすべて赤になったら春はいつのまにか門の前に近付いているはずだという期待感。

梅も描くが文字と図形を描いて色を加える方式も流行った。冬至は９つを９回数え始める日という意味で「数九」という別称がつき、まさに新年が始まる希望と見なされた。

これはひどい寒さにも屈しないという心の姿勢だ。花が一日一日赤く染まっていく姿を見守りながら寒さに勝とうとする「消寒」のひとつの方法だ。物理的な環境にひるまず、心の余裕を探して厳しさに勝とうとする努力に相違ない。

今年、近づいてきた寒波もなかなかの寒さだ。気温が下がるのは二の次で、韓国社会が迎えるあらゆる環境が酷寒の冬を思い浮かばせる。心まですくんでしまえばこの冬はもっと寒いだろう。冬至の日、寒いと豊年になると言ったではないか。冬を乗り越えれば豊かな収獲があるだろう。そんな希望と期待を育てよう。