韓国社会の元老および中堅学者２７人が参加した共同著作が登場した。 フォーラム「グッドソサイエティー」（共同代表、チョン・ジンフン・ソウル大名誉教授・キム・インソプ法務法人太平洋名誉代表弁護士）が編纂した『大韓民国６０年、省察と展望』（知識産業社）だ。

グッドソサイエティーの主管で３月から１１月まで、歴史・政治・経済・社会・文化など９分野に分けて発表、討論された内容だ。 「大韓民国６０年の矜持と陰を正直に点検しよう」という趣旨で、陳德奎（チン・ドッキュ）梨花（イファ）女子大学碩座教授、キム・ムンジョ韓国社会学会会長、ヤン・チャンス最高裁判事、呉世正（オ・セジョン）ソウル大物理学科教授、キム・インソプ弁護士らが参加し、過去６０年を整理した。


「‘激変と変動’はこの６０年間に起きた大韓民国の現象を描写する最も基本的な修辞で、‘奇跡のような進歩と発展’はその結果を称する最も根源的な叙述言語」（チョン・ジンホン共同代表）という言葉のように、大韓民国の６０年を眺める参加者の目は温かいものだった。 しかし成熟した社会に進むための注文も欠かさなかった。

歴史分野でハン・ヨンウ梨花女子大学碩座教授は「大韓民国は経済力に比べて国の品格が落ちる」と指摘した。 「圧縮成長にともなう行き過ぎた競争心」を基本原因に指摘したハン教授は特に「産業化勢力と民主化勢力が４０年以上闘争しながら多数の犠牲者が発生し、感情の溝が深まった」と指摘し、「両勢力はお互いに借りを返すという考えで感情の溝を埋めていかなければならない」と注文した。 陳德奎教授も「公共ラインに基礎を置いた市民社会が確立されるとき、‘危険社会’から‘完全社会’に転換できる」と強調した。

経済分野では「強まり過ぎた平等主義を変えるために一流を一流としてもてなすなど、不均衡を恐れてはならない」（ジャ・スンヒ韓経研院長）、法治に関しては「職務上の違法行為で発生した損害賠償責任など、指導部の反法治的形態に対する責任を問わなければならない」（キム・インソプ弁護士）という提言があった。 教育分野では「教育先進化のために学校の多様化と自律化、これに向けた人事権、予算権などを確保すべきだ」（クォン・デボン高麗大教育学科教授）という指摘があった。