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教権が崩れた小学校の教室の実像を暴露し、「体罰許容」を主張した現職教師の本が波紋を呼んでいる。 ソウル西来(ソレ)小学校英語担当教師キム・ヨンファさんが書いた『いま6年生の教室では…』(ミニハニー)だ。 叱る教師に児童が悪口を言って歯向かい、暴力まで行使する現実が、小説形式で描写されている。
報道があった後、記事と関連した電子メールや電話、書き込みが相次いだ。 「間違ったことをすれば殴るべきだ」「教権は体罰で維持されるのではない」など体罰をめぐる賛否意見は拮抗している。
小学校教師経歴34年目というチョンさんは記者にメールを送り、「記事内容はまさに私の体験と同じ」とし「本当に泣きたいし、一日も早く学校を離れたい」と訴えた。
また今月初め、2年間の米国留学生活を終えて中学校2年の娘と一緒に帰国したというイ・ウンジュさんもメールを送ってきた。 「数日間学校に通った子どもが『授業時間に騒いだり、眠ったりする生徒があまりにも多くて驚いた』と話している。 叱る教師の後ろで教師に聞こえるほどの声で悪口を言う子どももいるようだ。 小学校の時から学校内での生活態度を正す必要がある」という内容だった。
反対の意見も多い。 小学3年生の保護者というチャン・ソンヒさんは「愛情を持って幼い子どもを教育することができず、教権を侵害していると主張するのは情けない」というメールを送ってきた。 ヤンさんは「小学1年の担任の教師が日記の書き方を指導中、‘今日’という表現を何度も使い続けた子どもの日記帳を破り捨てたことがあった。 教師の権力の下で生徒と保護者は我慢している」と書いた。 読者のイ・ミヨンさんは電話をかけてきて、「体罰を認めなくても、いま学校では体罰がある。 子どもにうさぎ跳びを300回させて、子どもが歩けなくなったこともあった」と話した。
インターネット上ではもっと激しい論争が繰り広げられた。 12日午後までに該当記事に関する書き込みは2500件を超えた。 こうした論議について著者のキム・ヨンファさんは「同僚の教師が『実際の状況は(本の内容より)もっと恐ろしい』と話している」とし「規定を破って教室を乱す児童を統制できるように公式的な対応マニュアルを作成するきっかけになればいい」と話した。
現在、小中高校での体罰は各教育庁の指針に基づき原則的に禁止されている。 また体罰禁止条項を新設した「小中等教育法」改正案が民主労働党の権永吉(クォン・ヨンギル)議員の発議で国会に上程されている状態だ。
これに関し韓国教員団体総連合会(韓国教総)のキム・ドンソク氏は「教育的体罰が完全に禁止されれば、真面目な多数の生徒の学習権が侵害されるという点が心配される」と話した。 一方、全国教職員労働組合(全教組)政策室では「子どもの人権意識を育てて民主教育をさせるためには、体罰に代わる他の教育方法を開発しなければならない」という意見を明らかにした。
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