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選手は ‘原石’だ。 これを ‘宝石’にするのはコーチだ。 小学校時期、金妍兒(キム・ヨナ)を教えたシン・ヘスク・コーチは「フィギュアスケートで選手とコーチの間の呼吸は絶対的なものだ。 2人の呼吸がどれほどよく合うかが大会の成績を決定する」と話す。 コーチが加えた‘熱’と‘圧力’を選手がどのように消化するかによって、結果物はダイヤモンドになるし黒鉛にもなるという話だ。
◆金妍兒-オーシャー=金妍兒とブライアン・オーサー(カナダ)コーチは師匠と弟子の間というよりも、お互い心を開いた友人に近い。 合理的で開かれた思考の持ち主のオーサーコーチは、叱責して教えるよりも自ら悟る雰囲気を作る。 金妍兒も「オーサーコーチは間違った点を指摘するよりも、考える余地を与えてくれる人」と話す。
カナダに渡る前まで言葉数も少なかった金妍兒が‘表現力の女王’と呼ばれるようになったのも、常に笑顔のオーサーコーチの指導力が大きく影響している。 2人は気兼ねなく接し、お互い冗談もよく言い合う。
◆浅田-タラソワ=浅田真央(日本)とタチアナ・タラソワ・コーチ(ロシア)。 2人の関係を日本取材陣は「18歳の浅田が61歳のタラソワコーチに全面的に頼っている。 祖母についていく子どものようだ」と表現する。
グランプリ第4戦で最悪の成績(167.59点)を受けた浅田は帰国せず、タラソワコーチと一緒にロシアに向かった。 第6戦を2週間前にした時点で、タラソワコーチなしにファイナルに進出するのは難しいと判断したのだ。 練習場でも浅田は絶えずタラソワコーチに近づいて「どうだったか」と尋ね、笑う表情を見て安心するような姿だ。
◆安藤-モロゾフ=フィギュアファンは「あの素晴らしい選手がどうしてこれほど落ちたのか」と、今シーズンの安藤美姫(日本)の不振に疑問を抱いた。 その答えは安藤を教えるニコライ・モロゾフ・コーチにあった。 安藤とモロゾフは特別な関係だ。 久しぶりにモロゾフ・コーチに会うと、安藤は走って行って迎える。
日本取材陣は「2人の愛情が良い選手を一人失わせた。 安藤は挑戦するスタイルだが、モロゾフは冒険しないスタイル。 それで安藤が高難度技術に挑戦するのを防ぐ」と惜しんだ。 取材陣は「モロゾフは自分の気分しだいで行動する子どものようだ」と付け加えた。
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