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韓国とフランスの名家間の争いが激しい。 国内流通最強のロッテ百貨店と世界的なラグジュアリーブランドのシャネルが攻防戦の主人公だ。 ロッテは来年春の売り場改編を控えて、「デパート1階のシャネル化粧品売り場の規模を縮小し、場所を移す」と最近シャネルに通報した。 これに対しシャネルは「ロッテ百貨店の大型7店舗から撤収する」と対抗している。 表面上は業界宗家間の自尊心対決だ。 しかし裏ではマーケティングをめぐる葛藤がある。 理由はこうだ。
◆釜山で衝突
ロッテは昨年12月、釜山(プサン)センタムシティ店をオープンした。 流通業界の強者にふさわしくマーケティングが優れているうえ、プロ野球ロッテ球団の人気もあり、好調を維持している。 ところが道一つを挟んでもう一つの大型デパートが来年3月にオープンを控えている。 新世界(シンセゲ)百貨店センタムシティ店だ。
シャネルは2つのデパートのうちどちらにシャネルブティック(バッグ・衣類などファッション商品)を入店させるか悩んだ。 さまざまな条件を確認して下した選択は新世界。 両デパートが並んでいるため、両方に入店するのはマーケティング戦略に合わないという計算だった。
するとロッテの尻に火がついた。 世界最強のブランドを逃すことはできないからだ。 ロッテ関係者は「シャネルがロッテ釜山店にも入ると話しているが、受け入れるのが難しい条件を掲げていて入店が遅れている状況」と話した。
◆ロッテの反撃? シャネルの再反撃?
釜山新世界にだけ入店するというシャネルの方針とほぼ同時に、ロッテはシャネルに来年の化粧品売り場契約の解約を通報した。 シャネル化粧品の売上高が落ちていて、売り場の調整が避けられないという説明だ。 ロッテによると、シャネルは輸入化粧品導入初期にはデパート化粧品ブランドのうち売上トップを占めていたが、数年前からは5-6位に落ちているということだ。
今年上半期、ロッテ百貨店ソウル本店の化粧品ブランド24の売上順位でシャネルは5位にとどまった。 国内ブランドが漢方化粧品など機能性化粧品を販売しながら市場を広める一方、シャネルをはじめとする外国系ブランドの拡張の勢いが停滞したのだ。
ロッテのシャネル売り場縮小・移転通報が釜山入店の時期と重なったが、ロッテ関係者は「報復ではない」と釈明した。 とはいえ、辛格浩(シン・キョクホ)会長をはじめとするロッテ高位層の怒りは相当なものだったと伝えられている。
<カバーストーリー>最大デパートvs名品ブランド 自尊心戦争(2)
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