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英ロンドンのサヴォイホテルは木で作られた1メートルの黒猫「キャスパー」で有名だ。 食事の人数が13人の場合、その場に加わって人間と同じサービスと食事を受ける。
キャスパーは、1898年にここで食事をした英国の事業家ウルフ・ジョエルのために作られた。 当初14人の席を予約したが、一人が欠席したため、13人が食事をすることになった。 3週間後、南アフリカへ旅行に行ったジョエルは銃で撃たれて死亡した。それ以降、サヴォイホテルは13人の食事を認めていない。 1920年代にキャスパーが作られるまでは職員1人が食卓に座った。
迷信はホテルの営業だけでなく、人の死にも影響を及ぼす。 中国と日本では数字の4を不運の象徴と考える。 「死」と発音が同じだからだ。 米国カリフォルニア大学の社会学者デビッド・フィリップスは、1973-98年に米国で死亡した700万人の記録を分析した。 その結果、毎月4日に中国系・日本系が慢性的心臓病で死亡する比率が白人に比べて13%高いことが分かった。
迷信は出生率にも影響を及ぼす。 日本で丙午年は悪運の年で、この年に生まれた女性は運勢が激しいという。 実際、丙午年だった66年、日本の出生率は他の年に比べて25%減少した。 50万人も少なかったのだ。 これだけではない。 丙午年の女児の新生児が事故・中毒・暴力など外部的な要因で死亡した比率は他の年に比べて飛び抜けて高かった。 調査を行ったカク・カナエ博士は子どもが迷信によって犠牲になったという結論を出した。
ソウル西部地裁は最近、詐欺性巫俗行為で稼いだ金の60%は払い戻すべきだという損害賠償判決を出した。 だまされた人にも40%の責任があると判断したのだ。 気の毒なことだ。 どれほど苦しくて13人が2億5000万ウォンも支払ったのだろうか。この人たちだけが被害者ではない。 迷信は大統領選挙の結果を占うことから、夫の事業の成功や子どもの入試合格を祈ることまで、手を付けていないところはない。 迷信は、他に信じて頼れるところがない人たちの胸中に付け入って空虚な希望を植え付ける。 そしてその見返りにお金を持っていく。 韓国で迷信が及ぼす影響のうち最も確実なことは、信じる人々の懐が寒くなるという事実だろう。 一流ホテルや富裕層は迷信のために金を使っても関係ないが、庶民にはそうなってほしくはない。
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