▲ダウン症のムン・カウンさん コーヒーを入れるときは時間が止まったように集中し、周囲の人たちを驚かせた。 |
ダウン症のムン・カウンさん(18)は、この課程に参加すること自体が越えるべきヤマだった。 バリスタ課程を申し込んだ際、福祉館側も戸惑った。 2カ月間の教育後、ムンさんは周囲の予想を覆した。 豆を挽いて機械に入れ、種類別に副材料を混ぜた後、時間に合わせてコーヒーを作る繊細な過程が、ムンさんにとって大きな挑戦だった。 失敗を繰り返しながらも訓練を繰り返すと、体が覚えた。 ムンさんはコーヒーを作るとき、世の中が止まったように集中する。
教育を担当している愛の福祉館のファン・ミョンヒョン・チーム長は「障害のため他の人に比べてスピードは少し遅いが、時間を与えて待てば十分に自分の関心分野で仕事ができる」と話す。
障害者にとって職業は世の中と疎通する通路でもある。 自閉性障害のペ・ジウンさん(23)は世間との疎通に慣れていない。 外見からは障害がよく分からないが、ほとんど言葉を発しない。 卒業後1年間働いたコンビニでもうまくいかなかった。
バリスタについて知ったのは昨年見たテレビドラマを通じてだ。 漠然と「おもしろい」と感じたペさんは、今では10種類以上のコーヒーを難なく作る。 先日、韓国コーヒー教育協議会が施行するバリスタ資格の筆記試験にも合格し、最近は授業が終わった後も居残って実技試験の準備をしている。 表情が表れなかったペさんの顔からも最近は少し笑みが見られる。
チェ・ヒョンジョンさん(25)はペさんと同じ自閉性障害があるが、関心事と性格は違う。 集中するのが難しく自分だけの世界に入り込むことが多いが、飾ったりして遊ぶのが好きな20代だ。
ファミリーレストランで3年働いているチェさんは、最近、コーヒーについて学ぶ時間が待ち遠しいという。 皿洗いと材料の準備ばかりで退屈だった日常にも活力が生じた。 チェさんはコーヒーをミルクの泡で飾る「ラッチアート」に関心がある。 新たな学びは将来の計画も変えた。 チェさんは「コーヒーを学んで自立すれば、大学に行って乳児教育も勉強したい」と語った。
「バリスタになって自分の力で生きたい」(1)
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