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政府と与党ハンナラ党は2日、学生スポーツ選手が学業で一定水準の成績に到達できなければ試合出場と選手登録を制限するなど「最低学力制」を推進することにした、と発表した。
国家人権委員会が先月17日、学生スポーツ選手の授業欠席などの問題に関し、選手人権保護を含めた政策を政府に勧告したのに続き、政府・与党がこの日、対策を出したのだ。 しかし学生選手と体育界は「趣旨には同意するが、すぐに施行すれば競技力の損失が大きくなるため、段階的に推進すべきだ」と主張した。
◆選手も勉強を=「最低学力制」は、試合出場のため頻繁に授業を欠席することで生じる成績低下と選手生活途中放棄などの問題を減らすために準備された。 学業で一定の成績を維持しなければ試合に出場できない、というものだ。 成績の基準はまだ決まっていない。 教育科学技術部のファン・インチョル教育福祉支援局長は「100人のうち90位程度にすべき」とし「来年から政策研究を行い、施行は2010年以降になるだろう」と話した。 先進国では学生選手が勉強しながらスポーツもできる制度を施行している。
選手による暴力事件が主に合宿所で発生している点を考慮し、合宿所も漸進的に廃止することにした。 このため全国880カ所の合宿所を順次減らしていき、通学しにくい農漁村地域は寄宿舎に変更する計画だ。
◆段階的施行を=体育界は「制度の趣旨はよいが、すぐに施行する場合、競技力の低下が予想される」と憂慮を表した。 キム・ソンチョル大韓体育会体育本部長は「韓国がオリンピック(五輪)で世界10位以内に入ったのはエリートスポーツの力が大きい」とし「ただ勉強とスポーツを両立させろと言うだけでは、国際大会で金メダルを獲得するのは難しくなるだろう」と語った。
成均館(ソンギュングァン)大バスケットボール部のチョ・ソンテ監督(41)は「米国や日本と違い、韓国は選手層が薄いため、これがすぐに導入されれば副作用が大きくなる」と主張した。
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