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【社説】米国産牛肉騒動のほろ苦い後味

大型マートで先週末から本格的に米国産牛肉が販売され始めた。初日に50トンが売れるほど順調なスタートを切ったという。これに対抗して韓牛と豪州産牛肉も価格を引き下げている。それだけ消費者のメリットが大きくなり選択の幅が広がったことになる。

今年春に米国産牛肉の輸入再開をめぐりわれわれが経験した厳しい試練が思い出される。5月2日に清渓川(チョンゲチョン)で初めて行われたキャンドルデモは100回以上行われた。違法なデモでソウル都心は毎夜まひ状態となり、一部新聞に対する理性的でない広告主の圧力などもあった。科学と理性に代わり怪談と悪意の書き込みばかりが乱舞し、国全体が中間のない賛成と反対の真っ二つに分かれた。

キャンドルデモによる社会的損失が3兆7500億ウォン(約2400万円)に達するという全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院の推定をいまさら思い出してどうなるものか。しかし‘米国の牛=狂牛’と決め付けたあるテレビ番組が韓国社会を混乱の渦に陥れたことはまだ記憶に新しい。そして新政権発足当初の改革のための貴重な時間は無駄に流れた。全世界を見回しても唯一韓国でだけ起きたゆがんだ自画像だ。


いまや米国産牛肉の運命は消費者の選択に委ねられている。狂牛病の安全問題もこれから持続的に関心を持って見守っていくべき事案だ。しかしLAカルビの甘さにはまりつらい経験を忘れてはならない。これ以上この国に狂牛病騒動が繰り返されたり、第2のキャンドルデモが起きてはならない。これを予防するために政府からしっかりしなくてはならない。キャンドルデモは韓米牛肉交渉を過度に軽く見たのが禍根だった。こうした無神経と失敗が繰り返されてはならない。韓国社会を常識が通じる社会にすることも重要だ。そうすれば根拠のないインターネット怪談や騒ぎをあおる悪質な書き込みに巻き込まれなくなるだろう。合理的な中間層も厚くならなければならない。そうすれば左右の両極端に巻き込まれず韓国社会がバランスを取り安定的に進むことができるだろう。米国産牛肉を味わいながらわれわれが忘れずにかみ締めなくてはならないことだ。



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