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【社説】経常収支黒字、もっと力を出そう

10月の経常収支が当初予想を大幅に上回る過去最大となる49億ドルの黒字を記録した。長期にわたる日照りに恵みの雨が降ったようなものだ。外貨需給に決定的影響を及ぼすという点から、今回の朗報は外為・金融市場に柱としての役割になることは明らかだ。今年に入り韓国経済が不安に揺れていたのも1~9月の経常収支赤字が大きかったためだ。世界経済が危機に陥っているいまこそいつになく対外均衡が重要だ。年末まではもちろん、来年上半期まで経常収支黒字の流れが続くようにすることが急務だ。そうすることで市場の安堵感が広がり危機に耐える力も強まる。

しかし黒字の内容をまじまじと見ると、喜んでばかりというわけにはいかない。今回の経常収支黒字は国際原油価格が急落し、旅行収支が黒字に転換したことが決定的な背景だ。ウォン急落にもかかわらず輸出増加率は落ちている。特に主力輸出品目である半導体・乗用車・家電製品の輸出が後退したことは不吉だ。それだけ世界経済が想像よりはるかに萎縮しているのだ。なにより資本収支が255億3000万ドルの純流出を記録したことが気にかかる。政府の支払保証にもかかわらずそ知らぬ顔で外債が続々と引き揚げられ、外国人の株式・債券の売り攻勢も止まっていないという意味だ。

韓国銀行は10月の経常収支発表と同時に、韓米通貨スワップ資金40億ドルを供給することにした。それだけ市場の状況は苦しいということを認めたことになる。ウォン安ドル高は1ドル=1500ウォンを超え、外貨準備高2000億ドルの線はいつ崩れるかもわからない薄氷の状況だ。いまは二重三重の安全装置を求めるべき時期だ。現在韓中日3カ国が推進している300億ドル規模の通貨スワップ交渉から急いで終わらせなければならない。また経済の先行きが曇るほどに、輸出が唯一の生命線だ。最近銀行で信用状開設が拒否されたり貿易金融限度が縮小されるケースが頻繁に起きている。政府が率先してこうした問題から解決していくべきだ。いまは経常収支黒字が金融不安と経済危機を解消できる唯一の解決策だ。

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