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南北(韓国・北朝鮮)関係が悪化の一途をたどり、北朝鮮が02年に進めたが取りやめになった新義州(シンウィジュ)経済特区開発事業が再び注目を集めている。
北朝鮮が南北経済協力遮断措置の代案として、新義州特区に再始動をかけることができるという分析が登場してからだ。国家安保戦略研究所のイ・キドン責任研究委員は26日「北朝鮮が新義州経済特区を再び進めようとしているという諸伝言がある」と述べた。
東国(トングク)大学のキム・ヨンヒョン教授も「北朝鮮は特区の実現とは関係なく、李明博(イ・ミョンバク)政権に圧力を加えるために‘特区カード’を取り出しつづける可能性が高い」という認識を表した。北朝鮮が02年に進めた新義州特区開発事業は、競争対象になるのを恐れた中国政府の反対によって中止された。北朝鮮が核実験に踏み切った06年以降、朝中両国の関係が悪化し特区は視野から消えた。
だが今年に入って状況が変わった。疎遠になっていた朝中関係は李明博政権が登場した後、北朝鮮が中国への「求愛」に乗り出し、ほぼ回復したというのが大方の見方だ。北朝鮮は今年3月、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が中国大使館を電撃的に訪問した後「チベット人分離主義への非難」「‘一つの中国’への支持」などで、中国に対し柔軟姿勢を示してきた。
中央(チュンアン)大学の李相万(イ・サンマン)教授は「中国も鴨緑江(アムノッカン)沿いの国境地帯を開発する案を検討中だと聞いている」と述べた。半面、南北関係は「底が見えない」状況だ。金夏中(キム・ハジュン)統一部長官はこの日国会外交通商委員会で、北朝鮮が開城(ケソン)工業団地の閉鎖を断行する可能性について「非常に薄いものの完全に排除できないと考えている」と話した。
しかし北朝鮮専門家らは、短期間に新義州特区開発が実現するのは難しいと見ている。経済危機に陥れた中国が大規模な投資に出るには依然負担となり、北朝鮮の核問題も状況を変える重要な要素として残っている。李委員とキム教授は「北核問題が進展し朝米両国の関係が急速に改善する場合、中国は北朝鮮への影響力を維持するという政治的な判断から、北朝鮮への投資を決心するかもしれない」と指摘した。
対外経済政策研究院の趙明哲(チョ・ミョンチョル)統一国際協力チーム長も「中国は朝中両国の関係全般を踏まえた戦略的判断によって、対北投資の結論を下すだろう」という見解を示した。
◇開城経済協力事務所、28日撤収へ=統一部当局者は北朝鮮が閉鎖を求めていた開城工業団地内の南北経済協力協議事務所に関連「事務所の正規人員6人、サービス会社の職員3人を28日に撤収する計画を北朝鮮側に通報した」と伝えた。
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