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1912年の米国大統領選挙当時、セオドア・ルーズベルト候補の選挙本部長は大きなミスを遅れて発見した。 候補の写真と演説文が入った広報ビラ300万部を配布しようとしていたところだった。 著作権者の許諾を受けずに写真を使用したのだ。 著作権法によると、ビラ1枚当たり1ドル、計300万ドルを要求される状況だった。 現在の貨幣価値では6000万ドルを超える大金であるうえ、ビラを刷り直す時間もなかった。悩んだ選挙本部長は著作権者に電報を打った。 「広報ビラ300万部に写真を載せて配布する計画。 全国に貴方を知らせる非常に良い機会。 貴下の写真を載せる代わりにいくら支払う用意があるのか直ちに返答を望む」。すぐに返信がきた。 「機会を与えてくれたのは有難いが、250ドルしか払えない」。
現在の場合はこれよりもっと複雑だが、交渉に才能が必要だという点は同じだ。
2000年の秋、国連駐在米国大使リチャード・ホルブルックは宿題を抱えていた。 米国の国連予算分担金を現行の25%から22%に減らせという議会の要求のためだった。 米国の代わりに自国の分担金を増やすという国を探すのが核心課題だったが、そのような国はなかった。 各国と相次いで接触したホルブルックは隠れた障害を見つけた。 ほとんどの国で2001年度の予算がすでに確定していたため、増額が不可能だったのだ。 ホルブルックは2002年から増額してほしいと要求する戦略で問題を解決した。 時期という障害を解決したことで、増額問題の交渉が可能になったのだ。
北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議にこうした妙案はないだろうか。 ライス米国務長官は12月8日、中国・北京で会談を再開すると最近発表した。 米国と中国・ロシアは、韓国と日本からも核武装の要求を受ける状況を含め、心配が多い。 北朝鮮にとっても、核兵器を抱え込んだまま、貧しく飢えに苦しむのが合理的な選択になるとは考えにくい。 にもかかわらず、北朝鮮は会談を進展させようとしながらも、わざと反対の行動を繰り返している。
北朝鮮の核交渉に関与した政府高位関係者の分析を思い出す。 「北朝鮮は自らが何を望むかについて内部の合意を引き出す能力がないようだ」。本当にそうであれば、6カ国協議はルーズベルトの選挙本部長も、ホルブルック元大使も解決できない問題だ。 相手が交渉を妥結させる能力自体を持たない状況であるのだから。
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