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南北共栄モデルだった開城工団、北朝鮮の一言で「開店休業」



「開店休業状態は避けられなくなった」――。

24日に開城(ケソン)工業団地内の事業者を回ってきたある企業家の言葉だ。北朝鮮は開城工団については常駐人員を縮小させる措置だけを取り、外見上は工業団地が維持できるようにした。しかし企業関係者らの見方は異なる。ある入居企業の代表は、「正常な企業活動が不可能になった」と懸念する。


電気や通信を管理する工団管理委員会の職員40人余りのうち50%を減らすと企業活動に必須であるインフラ支援に問題が生じかねない。また物品の搬出入統制が煩雑になり生産が遅延すれば、発注が途絶え生産活動が冷え込むしかないという指摘だ。開城工団入居企業協議会のユ・チャングン副会長は、「すでに開城工団入居企業は主要取引先からの注文が50%以上急減している。取引キャンセルで株価が下がり倒産の危機に直面している企業も1社や2社ではない」と話す。

進出を準備中だった企業も影響が及んでいるのは同様だ。ソハン繊維のチョン・デチャン部長は、「開城に60億ウォン(約3億8000万円)を投資し靴下工場を建てた後、9月末から運営する計画だったが、労働者を集められず稼働が遅れている。1カ月に4億~5億ウォン程度の売上被害が発生している」と話している。

北朝鮮側の措置で開城工団の運営が縮小される場合、正確な被害額を算出するのは簡単ではない。南北経済協力市民連帯は、北朝鮮が開城工団を閉鎖する場合を仮定すると、投資損失だけで最低でも5000億ウォン以上になると予想した。開城工団入居企業が市場から撤退した場合、下請け企業に及ぼす影響まで考慮すると損失額は相当に大きくなるとの分析も出ている。

開城工団入居企業は通常、入居前に南北経済協力保険に加入する。北朝鮮側の一方的な没収や通行遮断、戦争のように企業の責任ではない理由で事業ができなくなった場合に補償を受けることができる。土地や建物、機械のような設備投資に限り最大90%まで、100億ウォンの限度内で補償を受けられる。補償金は政府が組成した南北協力基金から支払われる。しかし今回の場合は対象にはならないというのが政府の見方だ。統一部開城工団事業支援団投資支援チームのソン・ムンギュ事務官は、「北朝鮮側の今回の措置は、滞在人数を最小化し通行を縮小した程度であり、補償の対象にはならない」としている。

開城工団には現在、繊維・化学・機械金属・電機電子・食品の5業種で88社が進出している。また45社が追加で進出を計画している。現地に滞在する韓国人だけで1600人に達しており、北朝鮮の労働者も3万6000人が常駐している。開城工団は当初、韓国の資本と技術、北朝鮮の労働力と土地を結合すれば双方に利益になるという期待を受けてスタートした。2004年にテスト団地に15社が進出すると、政府は、「高コスト低効率構造を受け海外進出を模索中の中小企業に新たな活路を提供するだろう」との考えを示した。しかしいまは生存すら危ぶまれる境遇となってしまった。



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