最高検察庁中央捜査部は２１日、盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領の側近であるチョン・ファサム容疑者（６２、元ゼフィロスゴルフ場代表）を逮捕して調査中だ。旧世宗証券（現ＮＨ投資証券）を農協が良い条件で買収できるよう政・官界にロビーを働きかける対価として、世宗証券側から億台の金品を受けた疑い（斡旋収賄）だ。中央捜査部はこの日、世宗証券が農協に買収されるように数十億ウォン台の金品ロビーをした疑いで世宗キャピタル代表ホン・ギオク容疑者（５９）に対して逮捕状を請求した。

検察によるとホン氏は２００６年の初め「農協が良い条件で世宗証券を買収するように尽力してほしい」とチョン・ファサム容疑者に億台の金品を渡した疑いがもたれている。洪氏はまたチョン・テグン（６４、収監中）当時農協会長に約５０億ウォンの金品を渡した疑い（わいろ供与）がもたれている。

最高検察庁中央捜査部関係者は「世宗証券側が農協に売却されるよう、さまざまな方面にロビーを働きかけたものとみられる」と話した。これによって検察の捜査はチョン氏とチョン元会長以外に盧武鉉政府の実勢たちに広がる可能性が高くなった。


検察はこの日、証券取引法違反などの疑いで１９日逮捕したキム・ヒョンジン元世宗証券会長（５０）をいったん釈放した。キム元会長はＤＪ政府と盧武鉉政府で政界の実勢たちとかかわりながら政・官界ロビーを働きかけたという疑惑がもたれている。

検察関係者は「キム氏は世宗証券のオーナーとして逮捕状が請求されたホン容疑者を指揮した人物であるため、今後も取り調べを受けるだろう」と話している。

世宗証券は昨年１月、農協中央会に持分４７％を約１０００億ウォンで引き渡し、売却が完了した。世宗証券は証券界で買収合併（Ｍ＆Ａ）説が出てから農協に買収されるまで１年余りの間、株価が２０００ウォン台から２万ウォン台にはね上がった。

検察は盧前大統領の側近企業家Ｐ・Ｋ氏が世宗証券買収に関与して巨額の相場差益を得たという諜報を入手し、捜査を進めてきた。