李明博（イ・ミョンバク）大統領が銀行に融資をするよう促し、韓国銀行が連日資金市場に資金を放出しているが、凍りついた融資窓口は開いていない。実務者が動いていないためだ。人事考課の季節であることも一因だ。融資が焦げ付けば結局は自分がかぶることになる。在任中はどうしてでも経営指標をよくしなければならない…。支店長から経営陣にいたるまで、すべてが短期評価を意識して身を縮めこませている。

専門家らは銀行の短期評価制度を、最近の融資冷え込みはもちろん銀行の経営悪化の主要因として挙げている。延世（ヨンセ）大学の朱仁基（チュ・インギ）教授（経営学科）は、「銀行経営が極端に短期評価に左右されており、金融当局が大きな声を上げているのとは異なり、第一線の窓口は開いていない」と話す。リスクコンサルティング・コリアの李定祚（イ・ジョンジョ）代表も、「すべては短期実績で評価し不良化の責任を過度に負わせる現行の評価システムを改善しなければ、口では融資を督励していても意味がない」としている。また、「通貨危機の悪夢のためか、金融関係者すべてが‘リスク回避者’になってしまった」と指摘した。


現場でもこれを認めている。ある銀行の支店長は、「本店はできるだけ企業に貸付を延長してやれというが、支店長の立場ではそれは厳しい。支店長だといっても長くても２～３年だが、不良化が積み重なれば将来が大変だ」と吐露した。

全光宇（チョン・グァンウ）金融委員長も、銀行の短期評価とそれにともなう報奨制度の問題点を公の席で指摘している。１８日にニューヨークで韓国市場投資者説明会を行った後、「銀行がこの数年間に簡単に商売して報奨をたくさん受け取っていたことに対する代価をいま払っている。ストックオプションも中長期的な経営効果が現れるときに報奨するのが正しい。成果報奨システムを改善しようと思うと述べた。

短期的でだけ行われる評価と報奨体系の問題点を監督当局のトップが初めて認めたのだ。これにより金融委員会と金融監督院は具体的な改善策をまとめる方針だ。朱教授は、「金融当局と銀行がともにどこからが問題が生まれたのか点検し、急いで改善策をまとめなくてはならない」としている。