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金融危機が眠れる極左・極右イデオロギーを呼び起こす(1)

世界を襲う金融危機と景気低迷により世界のイデオロギー地形図が変化する兆しを見せている。グローバル化と新自由主義の波がいまの危機を作り出したという批判が強まり、ソ連の崩壊で鳴りを潜めていた共産主義イデオロギーに関心を持つ人たちが増えている。一方では危機のスケープゴートを特定の人種や集団から求めようとする極右派政党や団体が勢力を伸ばしている。専門家らは、中道性向のイデオロギーが徐々に力を失い、極端主義が猛威を振るった1930年代の大恐慌当時のムードが広まらないか懸念している。

◆力を得る左派=日本では共産党員が大きく増えている。最近1年間で1万2000人が新たに共産党に入った。主に20~30代の青年たちで、就職難や失業などで経済危機を肌で実感する人たちだ。日本共産党関係者は、「特に9月の金融危機以降に加入者数が大きく増えた」と話す。共産党は次の衆議院選挙で躍進することが予想されている。プロレタリア文学も時ならぬ人気を集めている。日本のプロレタリア文学の代表作である小林多喜二の小説「蟹工船」は、今年初めに再刊された後、すでに50万部が売れた。例年に比べ100倍程度増えたものだ。過酷な労働を強要された船上の労働者が集団蜂起する過程を描いたこの小説は、世界大恐慌が起きた1929年に発表された。小説の中で、船内で強制労働と過度な残業に苦しむ労働者の姿が、経済危機を迎えているいまの日本人らに共感を呼び起こしたものと分析される。

ドイツではマルクスが息を吹き返している。ドイツのメディアはこの数カ月の間に、「資本論」の販売部数が3倍に増えたと伝えている。カール・マルクス(1818~83)が1867年に著述した「資本論」は、社会主義ソ連が崩壊した90年代以降、一般読者の手から遠ざかっていた本だ。「資本論」を出版したある出版社の社長は、「現在の経済危機を招いた政府の政策方向に疑いを感じた若い層がマルクスから答えを求めるため『資本論』を買っている」と分析した。

金融危機が眠れる極左・極右イデオロギーを呼び起こす(2)

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