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予想通りムン・グニョンだった。 社会福祉共同募金会に6年間にわたり8億5000万ウォン(約6000万円)を寄付してきた匿名の芸能人がムン・グニョンであることが明らかになった。
‘寄付天使’ムン・グニョンのさまざまな善行はすでに広く知られている。 かなり前、あるインタビューで「親は幼い自分が大きなお金を持つことを心配している。 そのお金をむやみに使うことはできないと言っている」と話した。 彼女の善行は、最近、一部の芸能人が億ウォン台の賭博に関与するなど社会的な物議をかもしているのと対比され、さらに注目を集めている。
2000年にテレビドラマ『秋の童話』でソン・ヘギョの子役としてデビューしたムン・グニョンは、長いあいだ純粋で正直な‘国民の妹’として愛されてきた。 10代でありながら成熟したスタイルの他の少女スターとは違い、まさに少女のような外貌で勉強もできる模範生という点、優れた演技力が加わり、無欠点・無公害少女と呼ばれた。 子どもなのか成人なのか区分がつかない街中の‘怖い10代’を頻繁に見ている成人には、心理的な安堵感まで与えてくれる。 最近はSBS(ソウル放送)ドラマ『風の絵師』で男装女性の申潤福(シン・ユンボク)を演じながら‘国民の弟’という呼称も受けた。 彼女自身は成人演技に挑戦しながら‘国民の妹’というレッテルをはがそうとしているが、大衆はまだ彼女を世間の汚染からかけ離れた純粋の象徴として残しておきたいように見える。
ムン・グニョンが匿名の寄付者を望んだのは、かつて彼女の善行と関連し「善人ぶるな」という悪質な書き込みに苦しんでいたという点が理由の一つに挙げられる。 しかし今回の寄付については悪質な書き込みどころか、祖父が有名な統一活動家だったという家族の背景までが取り上げられ、賛辞が相次いでいる。
ムン・グニョンの善行は、単に「ノブレスオブリージュ」を喚起させたというレベルを越えて、名士の慈善に対する一部の大衆のひねくれた視線までも払拭する威力を発揮しているように見える。 名士の善行とは名誉欲や自己誇示の発露だと言って真正性を疑う視線のことだ。 もちろんその裏には、力がある人たちの善意を信じられず、誠実さだけでは成功できないという大衆の劣敗感が隠れているのだ。
名士の善行は虚飾という歪んだ図式を吹き飛ばし、改めて誠実な心の力を信じさせたムン・グニョン。 本当に立派でかわいい国民の妹だ。
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