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【社説】教科書正して検定制度再整備せよ

高等学校の韓国近現代史教科書修正をめぐる問題が広がっている。教育科学技術部が左偏向問題をもたらした部分を中心に修正勧告案を出すと一部の教科書執筆者らは記者会見を開いて勧告案を拒否すると明らかにした。

事態がこうした状況に至った大きな要因のうちのひとつは、状況をうかがってばかりの教科部の検認定制度運営だ。その結果、一部の史学団体と筆者から「検定制度の棄損」」という批判を受けている。教科部が近現代史教育を強化すると全国の高校に配布した近現代史教育法・学習資料が大韓民国の伝統性を汚したという反発を呼んだのが3年前だ。それにもかかわらず政権が変わってからあたふたと修正するというので情けないという声を聞くのだ。今回の勧告案もいざ核心は避けて「供出」を「米穀収集」に、「結局」を「以後」に変えるなど遠まわしに言及するに止まった。

教科部長官に教科用図書の内容修正を命ずる権限があることはあるが、それよりは執筆陣が先に修正に出なければならない。左偏向から右偏向に移動しろという話でも、政権が変わったから新しい政権の好みに味を変えろという主張でもない。私たちは以前、ニューライト団体が発行した代案教科書が独裁を合理化するなど問題が多いと指摘した。数人の筆者は検定制度の主旨だとしながら敍述の多様性を掲げるが、教科書は個人論文やセミナー発表文ではない。育っていく子供たちが決定的に影響を受ける本である。特定理念ではなく、韓国社会の普遍的な考えや常識を反映させなければならない。


手続上の弱点で本質を覆ってはいけない。韓国戦争を民族的観点でばかり見て、自由民主主義守護の側面を度外視するとか、韓国の貧困層地域と都市貧民層、光州大団地事件は詳しく紹介しながら北朝鮮の強制収用所や人権弾圧を言及しないのがバランスの取れた敍述か。韓国戦争当時、虐殺に対して北朝鮮軍が「北朝鮮式改革をしながら地主や公務員などに対する粛清を敢行」したと敍述し、報道連盟・居昌虐殺・老斤里(ノグンリ)事件を掲げ、「後退する北朝鮮軍も大田などで多くの住民を殺した」とこっそり付け足した教科書で、我々の子供たちに教えなければならないのか。「日の丸がかかった席に星条旗が揚がる」という敍述に対し、ある筆者は「厳然たる歴史的事実」と強弁したが、言葉の遊びだ。歴史的事実も展開方式や比率の配分、表現によって大きな認識差をもたらすという事実にどうして背を向けるのか。これだから中高校生の半分以上が6・25が北朝鮮の南侵で始まったという事実を知らないのだ。その上、今年、大学入学試験修学能力試験では初めて国史科目出題範囲に近現代史が含まれる。

問題があれば直さなければならない。手続きや時期で言い争うことではない。ただ極右に流れるなどまた別の偏向や間違いを犯してはいけない。教科書検定は再来年も施行される。そのときまで検認定制度を徹底的に修正しなければならない。政権がどう変わっても揺らがぬ「大韓民国の教科書」を我らの子供たちの手に渡したい。



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