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対北朝鮮政策、オバマ氏の変化と韓国の対応

 オバマ氏の大統領当選は、韓国にとって相当な挑戦であると同時にチャンスでもある。 オバマ氏の新しい思考が対外政策として実現される過程で、世界政治と韓半島情勢も大きく変化すると予想されるからだ。 問題は、韓国が韓半島平和のビジョンを達成するために変化の波に乗りながら主導するのか、それとも右往左往して引きずられるのかだ。

共和党であれ民主党であれ、米国の政治指導者は、米国には世界に民主主義と自由の価値を拡散する特殊な使命があると信じている。 ただ、こうした使命を達成する方法については双方の立場が分かれる。

共和党のブッシュ政権は米国が保有する強い力を実際に使用することを望んだ。 しかしオバマ氏の場合、外交と経済援助をより重視する実用外交を考えている。 そして軍事力のような物理的な力の使用は不可避であれば先延ばしし、道徳的なモデルと米国的な価値の力、いわゆるソフトパワーを活用することを強調する。


オバマ氏はマケイン氏のように冷戦期に政治的に成長した人物ではない。 オバマ氏は1980年代、南アフリカ人種差別反対運動に参加し、政治・外交問題に目覚め始めた。 また80年代後半、東欧共産圏で起きた市民蜂起と体制転換を見ながら、個人の力が集まって政治・社会的変化をもたらすことに信念を抱くようになった。 開発途上国の低発展が混乱の根本であり、安保問題も交渉と経済開発で相当部分が解消できる、と信じている。

こうした基本的な外交哲学のため、米国の対北朝鮮政策も少なくない変化が予想される。 もちろんオバマ政権は6カ国協議という多者交渉の枠組みを継承するだろう。 しかし何よりも北朝鮮問題自体を眺める視点が変わる。 共和党政権は北朝鮮の核開発を安保問題としてとらえ、それ自体にこだわり過ぎて、北朝鮮に核を開発させる原因については特に関心を向けなかった。 しかしオバマ政権は、北朝鮮の核開発が北朝鮮自らの安保不安感と外交的孤立から始まったという点を認め、これを解消する方向に政策を転換すると予想される。

また共和党のブッシュ政権は、北朝鮮との外交関係樹立を北朝鮮の核放棄が終わった後に提供する補償と見なしてきた。 しかしオバマ政権は、北朝鮮が非核化約束を実際に履行するよう対北朝鮮インセンティブとして使用する可能性がある。 例えば、朝米外交関係開設の事前段階である連絡事務所の開設を北朝鮮側の非核化履行のためのインセンティブとして活用する可能性も考えられる。 実際、オバマ氏と親しいルガー上院議員が提案したナンールガー(Nunn-Lugar)方式で核兵器を解体する場合、今のニューヨークチャンネルだけではお互いの疎通が難しいからだ。

共和党政権は北朝鮮に対する経済的関与(engagement)がもたらすプラス効果を無視する傾向があった。 しかしオバマ政権は、北朝鮮との経済的・社会的交流の深化は北朝鮮に対する影響力行使のチャンネルと手段を増やし、人権問題など他の対北朝鮮政策目標を実現するのに役立つと考える可能性がある。 オバマ政権は、こうした政策変化を北朝鮮の核問題だけでなく、経済・ミサイル・人権・外交問題などすべての懸案問題を包括的に扱うマスタープランに盛り込み、6カ国協議の枠組みと連係させて履行していくかもしれない。

問題は、米国が過去に比べてはるかに積極的な姿勢で北朝鮮の核問題を解決しようとする場合、韓国政府がどんな立場をとるかだ。 個人的な希望を言えば、こうした大勢に逆らうよりも、むしろ率先していくことを願う。 オバマ氏は北朝鮮問題が米国の安保に直結する問題だと見なし、「ブッシュ政権の無対話・無関与政策は北朝鮮の核弾頭保有数を増やしただけの失敗の政策」と攻撃した。 従って仮に韓国や日本が反対したとしても、自らの立場を強く押し通していく確率が高い。 このため過去の対北朝鮮交渉をめぐる金泳三(キム・ヨンサム)-クリントン政権間の葛藤と混乱が繰り返されないことを望む。

しかし結局、重要なのは韓国の国内政治問題だ。 左右に分かれて国内で繰り広げている争いを中断し、新しい談論を主導しながらより大きく政派と国民を抱え込む統合のリーダーシップが必要だ。 米国および世界政治の変化をありのままに受け入れ、従来の固定観念を超えて対応できる柔軟なリーダーシップが肝要になる。 これを通して米国の大統領選の結果をわが民族史の宿願を果たすきっかけとして活用することもできるはずだ。



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