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‘フィッチの評価’特に影響はなかった(2)

しかしアジア6カ国・地域のうち韓国とマレーシアだけアウトルックが悪化したことを軽く見るべきではない。これについて崔局長は、「韓国が対外依存度が大きい経済であり、世界的な景気沈滞の衝撃がより大きくなるとみているようだ」としている。輸出入が国内総生産(GDP)の80%に達し、金融市場が最も多く開放されている上、銀行の海外借入の割合が大きいという点などが不利に作用したということだ。匿名を求めるある銀行の資金部長は、「海外の借入先が満期到来時に再度の借入を拒否できる言い訳ができたという点では悪材に違いない」との見方を示している。

通貨危機を克服して以来、韓国の格付けは上がり続け、下がったことはない。2003年1月に北朝鮮の核リスクを理由にムーディーズがアウトルックを「安定的」から「否定的」に2段階引き下げたのが唯一だ。ムーディーズはその後6カ国協議の進展を受け2004年6月にアウトルックを「安定的」に1段階上げている。

いずれにせよ政府に2つの火の粉が降りかかっている。フィッチが実際に格付けを引き下げるのを防がなくてはならず、他の格付け機関が格付けやアウトルックを下げることがないようにしなくてはならない。通貨危機の時のように3大格付け機関がそろって格付けを下げ始めれば影響は避けられない。ムーディーズなどは先月、韓国の格付けとアウトルックを従来通りに維持すると発表した。しかしフィッチが先進国の景気低迷を理由に新興国の格付けを引き下げたことを考えると、ムーディーズなどが立場を変えないとの保障はない。


実際にスタンダード・アンド・プアーズのアジア格付け担当責任者、エレーナ・オコロチェンコ氏は10日、ブルームバーグとのインタビューで、「最近韓国のアウトルックを安定的で維持することにしたが、銀行の資金需要は依然として最大の関心事。銀行の短期資金需要が拡大している」と指摘している。また「韓国とインド・マレーシア・タイ・インドネシアを綿密に見守っている」としている。

‘格付けのわな’にはまらないようにするならば、国際社会が韓国の弱点と指摘する部分を補強するしかない。韓国投資証券のチョン・ミンギュ首席エコノミストは、「いまは政府の力量を立証すべきとき。銀行のシステムと実体景気の不安に対し政府が強力に対応し市場の疑いをなくさなくてはならない」と話している。



‘フィッチの評価’特に影響はなかった(1)

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