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ミン・キュドン監督は先月30日のインタビューで「時間が経つにつれて価値が増すアンティーク(骨董品)と、焼きたてはおいしいがすぐに傷んでしまうケーキの対比を人生に例えた点、人生が持つ切迫と悲しみに対する不憫な視線」を原作の最も大きな魅力に挙げた。 ミン監督は「はつらつとした姿を見せながらも胸の奥に傷を負った人たちの多層的な話を、ジャンルの混合を通して多様かつ豊かに表したかった」と付け加えた。
◆同性愛コードをどう表現?=この映画は製作過程で「男同士がキスをする映画」としても話題になった。 しかし「同性愛映画」と呼ぶには表現の程度がかなり低い、というのがミン監督の説明だ。 男同士の愛情表現シーンは多いが、「15歳以上観覧可」等級を受けるほど自然で愉快な笑いを誘う方向で処理された点が目を引く。 原作の過激なセリフもそのまま反映されたが、それほど目立たない水準だ。
俳優は当初、同性愛の設定に適応できなかった。 スヨン役のチェ・ジホはベッドでソヌとキスしようとする場面をリハーサルし、「絶対にできない」と言って撮影場から離れることもあった。 ソヌを演じたキム・ジェウクも撮影前は「全国の同性愛者がソヌにはまるような実感あふれる演技をしたい」と意気込んでいたが、本番ではNGを連発した。
◆第5の主人公はケーキ=フランス(イ・ヘイム氏)・日本(ソン・キファ氏)ら経歴を積んだパティシエからなるケーキデザインチームが撮影場に常駐しながらケーキを即席で作った。 映画のために作られたケーキは1000個以上。 小さなケーキまで合わせると3000個以上になる。 ミュージカルパフォーマンス場面に登場するケーキだけでも400個にのぼる。 幅3メートル、長さ8メートルのテーブルをケーキが埋めた。 コンピューターグラフィックの力を借りず、デザインチーム5人が1週間かけて作った。
ケーキが照明熱で溶け、作り直すことも数え切れないほどあった。 ケーキは完成したものの、他の理由で撮影が遅れたり日程が変更されたりして徒労に終わることも多かった。 ケーキデザイナーのソン・キファ氏は「撮影過程が非常に難しく、製作陣からは『二度とケーキを素材にした映画には参加しない』と悲鳴があがったほど」と伝えた。
映画「アンティーク」 13日公開(1)
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