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与野党に人脈動員令
政界に「米国人脈動員令」が下された。米大統領選で当選が有力視されるオバマ候補(民主党、上院議員)とのパイプ役を何とかして確保しようと全力を尽くしている。
次のホワイトハウスのオーナーとの親密な関係は、国際社会でだけでなく、国内政界においても大きな資産となるからだ。問題はオバマ氏が上院議員で、中央政治での経験が4年にすぎず、「パイプ役」が見つかりにくいという点だ。
それでも現在まで「オバマ氏追っかけ」をリードするのは野党民主党の議員らだ。「党名が同じで政治的志向も似ているため、普段から米民主党と親密な関係を築いてきただけに、オバマ候補とも連結が可能だろう」というのが民主党側が示す楽観的な見方だ。
特に宋永吉(ソン・ヨンギル)最高委員は近ごろ、米民主党の招待で昨年1月に上院開院式に出席した経験に頻繁に触れている。宋議員は当時にオバマ候補に会って以来、知人関係になったという。宋議員は当時オバマ氏と記念撮影した写真を最近、自身のウェブサイト上に公開した。宋氏は「オバマ候補が私と似たような世代で、‘米国の386(386:60年代に生まれて80年代に大学に通った世代)’と言える」とし「来年初めにも米国を訪問し、接触を試みる考えだ」と述べた。
同党の宋旻淳(ソン・ミンスン)議員も「オバマ候補陣営の人々と交流している」と語る議員のひとり。前政権で外交通商部長官を務めただけに、米民主党の主要人物とのつながりがあると話す。
そのほかに民主党ではシンクタンクの民主政策研究院長を受け持っている金孝錫(キム・ヒョソク)議員と「米国通」を自任する田炳憲(チョン・ビョンホン)議員も、民主党上院・下院議員を通じたオバマ氏との「間接的な縁」を掲げている。うち田議員は「ヒラリー・クリントン上院議員側との‘ホットライン’が構築されてある」とし「誰がなんと言ってもヒラリー氏は民主党の筆頭株主だ」と強調した。
民主党の元恵栄(ウォン・ヘヨン)院内代表は「オバマ候補と我々は北朝鮮問題や新自由主義のグローバル化などに対する立場が同じだ」とした上で「オバマ氏が当選すれば、米政府と韓国の民主党が政策的に呼吸を合せて行くことができるだろう」と期待感を示した。
半面、伝統的に共和党とさらに身近に接してきた与党ハンナラ党の状況は切迫している。与党として韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案の国会での可決などのため、米政府と連係しなければならない懸案が多いが、有力候補との適切なパイプ役がいないからだ。与党ではオバマ氏と顔を合わせたことがある議員が見つかりにくい状況だ。
こうした事情であることから、党役員らは国会外交通商統一委員長の朴振(パク・ジン)議員に期待感を表す雰囲気だ。外交官試験出身の朴議員はオバマ候補ではないものの、民主党のジョセフ・バイデン議員とは数十回会ったことがあるという。金泳三(キム・ヨンサム)政権時代、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の秘書官として大統領の通訳を担当する際に会って以来、着実に関係を維持してきたということだ。
残りのハンナラ党議員らは「これからオバマ候補とのチャンネルを作っていく」という立場だ。オバマ候補と米ハーバード大の同窓である洪政旭(ホン・ジョンウク)議員も与党では「期待株」とされる。与野党全体でハーバード大出身は計9人だが、洪議員を除けば、いずれも1年前後の課程を終えているという。
ハーバード大で学士学位を取得し、米国の弁護士資格証明も持つ洪議員は、経歴の面では弁護士出身のオバマ氏との共通点が多い。同氏は「‘オバマ政権’に入っていく同窓を探してみる」と話している。
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