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【社説】韓米FTA、年内に批准すべき

政府と与党ハンナラ党が韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案の年内処理に乗り出した。党政は今月10日、国会外交通商委員会に批准同意案を上程して、年内に本会議での可決まで済ませるという方針だ。

しかし野党民主党が激しく反対し、ハンナラ党内にも隔たりがあることから、難航するとみられる。我々は批准同意案の早期処理を数回にわたって求めた。「輸出依存型」の経済でFTAの重要性は新たに説明する必要がないが、現在のような「非常状況」の時期にはより一層そうである。国際経済危機が進めば、各国では保護貿易主義を強化すべきだという声が高まる。そうなれば、追加のFTAの締結が容易でなくなることから、韓国はすでに締結済みの韓米FTAを急いで締めくくらねばならない。

米民主党の大統領候補、バラク・オバマ上院議員が米大統領になれば、自由貿易協定による米労働者の被害を防ぐべきだという声が高まるだろう。オバマ氏は特に遊説の期間中に、韓国は米国に年間数万台の自動車を売っているのに、米国は韓国にわずか5000台しか売っていないとし、不公正貿易を厳しく指摘した。オバマ氏が大統領になる場合、自動車部門の再交渉を求めてくる可能性もあるが、韓国が先に批准同意案を処理しておけば、それに対する防御装置になる、という論理も説得力がある。


民主党の反対は2つの軸からなる。ひとまずコメ所得補填(ほてん)直接支払金を不当に受領した事件などで農家の雰囲気が冷え込んでいる状況なので、農業をはじめ被害が懸念される産業に関連した対策が先行されるべきだということだ。そして米政府が批准同意案を議会に送ってもいない上、米政府や議会は韓国が先に処理したからといって、これを重要視し視野に入れることはないというのだ。

結論的に、批准が必要とされるものの、いまは適時ではないという論理だ。しかし総合的に考えて、韓国が先に処理するからといって損することはない。そして韓国は米国とは異なり、およそ20の関連法案を処理しなければならないことから、FTAの完結に時間がさらにかかる。被害産業への対策は並行して進めればいい。韓国は韓国の時間表通りにFTAへの意志を示す必要がある。危機状況で、批准同意案の処理を通じ「非常状況」突破の覚悟を改めるのもよい。



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