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しかし疑問は依然して残る。観客、選手らが見えない「金委員長ひとりだけの写真」だからだ。同写真の背景に試合や観客の様子が収められておらず、試合の場面は別途に撮影された。写真の中で、金委員長のハーフコートは05年11月1日に報じられた「平壌(ピョンヤン)326電線工場」の現場指導当時と似ている服だ。
朝鮮中央通信は今回の観覧に、朝鮮労働党の張成沢(チャン・ソンテク)行政部長、李済鋼(リ・ジェガン)組織指導部第1副部長、李在一(リ・ジェイル)宣伝扇動部第1副部長、国防委員会議の玄哲海(ヒョン・チョルへ)大将(商務部局長と推定)、李明秀(リ・ミョンス)行政局長、軍の金明国(キム・ミョングク)作戦局長が同行したと報じた。しかし写真の中に、玄大将と張部長のほかには、同通信が伝えた人々は登場していない。
イ・キドン国家安保戦略研究所責任研究委員は「特に金委員長が座っている姿と立っている姿を収めた両写真で同時に登場する随行者がいない」とし「2つの写真が同じ時期に撮影されたものなのかも疑問視される」という見方を示した。立っている写真の金委員長の姿が周辺の人々より大きく、大理石の床の場合、近い所が狭く遠い所広いことから、遠近法と合わないという点に注目し、合成の可能性があるという見方も出ている。
写真が事実ならば、金委員長の左手も注目を集める。これまで金委員長の左手は、腕組みや後ろ手、または下に下ろしたりポケットに入れたりするなど自然な姿勢だった。しかしこの日の写真では、左手の親指を上着のポケットにかけたり、左手をたらしたような姿だった。
ある当局者は「金委員長が手術の直後、左腕と左手、左足など左側の身体全般に麻痺(まひ。不全麻痺)があり、動きにくかったと把握されている」とした後「写真が最近撮影した本物であれば、これまでかなり回復し現在は左腕と左手の一部だけに麻痺が残っているのではないかと思われる」と話した。写真の中の金委員長が普段履いていたかかとの高い靴の代わりに、低い靴を履いている点も目についた。
金総書記、類例を見ない「写真統治」(1)
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