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金総書記、類例を見ない「写真統治」(1)



北朝鮮が2日、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長がサッカーの試合を観覧する場面だとし、関連写真を一斉に公開した。

金委員長の動静報道は公開活動中断以来、80日ぶり。写真の公開は先月11日未明に女性部隊の視察が伝えられて以来、22日ぶりだ。しかし今回も観覧した日時、場所は明らかにしていない。


北朝鮮の国営朝鮮中央通信は「第11回人民体育大会(10月17~31日)の閉幕に関連し、金同志が人民軍の将兵とともに朝鮮人民軍の万景峰(マンキョンボン)チームとツバメチームのサッカーの試合を観覧した」と報じた。

同通信と朝鮮中央テレビ、労働(ロドン)新聞などは▽金委員長が笑みを浮かべて室内の観覧席に座り試合を観覧する姿▽立ったまま幹部らに何かを指示している姿▽試合の様子--などを収めた写真10枚を公開した。

専門家は今回の写真公開について、内部的には、各脱北者団体のビラまきで住民が動揺する可能性を防ぎ、大統領選を控えている米国に対しては、金委員長を中心に一致団結した体制を見せつけようという意図だと分析している。危機局面の度に金委員長の近況を収めた写真を公開して、内外に健在ぶりをアピールしようとする、一種の「写真統治」だということだ。

北朝鮮は先月4日、金委員長がサッカーの試合を観覧したと報じた。しかし写真を公開せず、疑問が拡大された。米国のテロ支援国家指定解除を目前にした先月11日には、軍部隊を訪問する写真を電撃的に公開している。しかし真夏とみられる撮影の日時をめぐり議論が広がると、今回は秋色に染まった写真を公開したのだ。

当局や写真専門家の分析によると、いったん今回の写真の場合、競技場の芝生や紅葉などから考えて、撮影の時点は晩秋とみられる。また写真の中の競技場は背景となっている山の様子から考えて、平壌(ピョンヤン)市内ではない可能性が高いと分析された。したがって写真が本物の場合、金委員長は市内から郊外に移動が可能で、ひとりで立てるほど健康を回復した、という解釈も可能だ。



金総書記、類例を見ない「写真統治」(2)

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